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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
47:その勇姿と共に
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……治癒を拒否するようにふるふるとその首を横に振り……ベリーはその場で足を折り、その首をユミルの顔の隣に横たえた。

「ベリー……?」

 これにはユミルも声を出してベリーの目を見つめるも……すぐにハッと目を見開いた。

「ベリー……まさかキミは、最期まで、ボクと一緒に居てくれるの……?」

 まるでそれが肯定だったかのように、ベリーはその真紅の目の瞼を伏せた。
 それを見たユミルの目に、じわり、と新たな涙とともに目を閉じた穏やかな笑みが浮かぶ。

「そっか……。ああ……なんて、優しい子……」

 その光景に、ピナを胸に抱き締めたシリカが『ひぐっ……』と涙を強くこらえるしゃくり声を上げる。

「分かった……これからもずっと一緒に居よう……。だからボク、先に行ってるから……待ってるからね、ベリー……」

 差は僅かなものだが、このペースだとユミルのHPが尽きるのが先そうだった。
 しかし、ここでずっと黙って見届けていたアスナが我慢できない風に割って入った。

「ううんっ……見届ける『友達』は、ベリーだけじゃないよっ、ユミル君!!」
「アスナ……?」

 アスナはリズベットの肩を借りながら震える指でウィンドウを操作し始め……すると、ユミルの目の前に小さなウィンドウが表示された。

「これは……」

 それを見たユミルの目が見開かれた。そこには、

【Asuna からフレンド登録申請が来ています。 【YES/NO】】

 という短い文章が浮かんでいた。何がと思うこともない、それはフレンド申請ウィンドウだった。

「あなたと共に行く友達はベリーだけかも知れない。だけど……見届ける友達はここにも、わたし達も居るよっ……!」

 それからアスナはリズベット、シリカ、そして俺の順に見た。そして頷く。
 俺達も揃ってメニューを操作し……そのウィンドウに俺達の名前も追加された。

「わたし達も、あなたの友達だよ、ユミル君……! それにね、わたし達はマーブルさんと約束したんだから。あなたと絶対に、友達になってみせるって……!」
「……………」

 ユミルはそのウィンドウを真ん丸な瞳で見開いて呆然と、もしくは信じられないような目で数秒見た後に……

「――……ああ…………嬉しい……!!」


 感激に溢れて震える声と共に、流れる涙も眩しいまでの……それはそれは本当に『嬉』を体現したかのような、見事なまでの満面の笑みを見せた。
 それが仮想世界のポリゴンであることを忘れさせられるかのような、本当に温かな笑みだった。
 ユミルが震える人差し指をYESボタンへと伸ばされる。

「――――だけど」

 しかし。

 その指はYESボタンを押すことなく、それを()()|抜
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