暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第十四話 戦乙女
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追って走る。狙うは、圏を弾くか防ぐをした後にできるであろう一瞬の隙。
 最速で追撃を加えるべく、右手にオーラを集め、レイピアを作り出す。
 だが、ライトはそれを見て大きなため息をつくと、彼は投げられた武器を弾くでも防ぐでもなく掴んだ。そして呆れた声で一言。


「武器を投げるなんて愚の骨頂だよ」


 ライトはそのまま俺に向かって投げ返した。それを見た俺は内心少し驚いた。


(予測の内だが、本当に高速で回転する圏の持ち手を正確に掴むとはな。まあ関係ねえな・・・・・・)


 俺は口許に笑みを浮かべ、そのまま迫ってくる圏に向かって突っ込んだ。そして、圏が俺に当たる直前、それを消し去った。


「なっ・・・・・・!!」


 ライトは円形の刃が俺と接触する直前に音もなく消えたことに今度こそ驚きの声を漏らす。その一瞬で俺はライトとの距離を詰め、ソードスキルを発動させる。


(これで終わらせる!!)


「うおおおおお!!」


 叫びとともにレイピアがまばゆい赤に発光し、同時に右手がシステムの見えざる手に後押しされた。
ライトの体をまず縦に、次いで横に貫いた。両肩、胸、喉、腹、計六か所。


細剣六連撃技<クルーシフィクション>


 しかし、六撃目を放った瞬間、俺の腹に衝撃が走るのと同時に全身の力が抜けて、地に伏せた。直後、カランと乾いた音が響く。視界の右隅にある自分のHPバーに目を向けると。そこには風前の灯火ほどしかないHPと、普段は存在しないグリーンに点滅する枠に囲まれていた。
 間違いない。麻痺毒だ。
 そう。ライトは俺が六撃目を入れる瞬間、後ろに飛んで衝撃を弱めるのと同時に俺に向けて毒ナイフを投げつけたのだ。


「ハハ、危なかったよ。もし僕が毒ナイフを投げていなかったら確実に殺られていたよ。最後の攻撃の後、君も毒ナイフを使うつもりだったんだろう?」


 ライトは俺の脚の横に落ちてるナイフを見ながら言った。


(まじか・・・・・・くそ・・・・・・もうお手上げだ)


 ライトの言う通り、俺は麻痺毒付きのナイフを最後の一撃を放つとともに足元に作り出し、体術の足技で蹴りあげるつもりだった。が、麻痺させる目論見は相手に先にやられてしまった。
 今の俺の体は肘から下の左手がかろうじて動くだけ。もう逆転はない、そう思った。が、まだ勝利の女神はリオンのことを見捨てていなかった。
 俺の耳に涙と悲鳴が混じった声が届いた。


「リオン!!」


 視界の端に、ふわりと宙を舞う金色の髪が映った。それを見た俺は無理やり首を動かし、なんとか視界の中心にその髪の主を納める。
 そこには俺のすぐそばに片膝をつけながら、山吹色に輝く剣をライトに向けているア
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