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ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第十二話 白い背中
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アリスの世界から音が消えた。
 

 直後、爆音と震動と粉塵が炸裂した。
 どどどどどどどどどどどどど、という轟音が、部屋にいつまでもいつまでも鳴り響く。
 それはアリスに刃を振り下ろそうとしていたPoHに向かって、ある男が放った一撃によって引き起こされたものである。


「ぐっ・・・・・・がはっ・・・・・・」


 その一撃を受けたPoHは壁に叩き付けられていた。
 攻撃自体はすんでのところで受け止めたものの、その衝突時の余波はその場にとどまることを許さず、そのまま壁まで一気に吹き飛ばした。
 それだけの力を先の一撃は秘めていた。先ほどまで彼が立っていた場所にクレーターを作るほどの。
 その中心に一つの影が浮かび上がった。最初、粉塵によって輪郭がぼやけていたが、それが晴れるにしたがって鮮明になり、そして人影をとっていく。
 晴れた煙、そして顕になった人影は、裾が膝下まである白のコートをなびかせながら、PoHを真っ直ぐ睨み、そして彼とアリスの間に隔たるようにして立っていた。








 アリスには最初何が起きたのか判らなかった。


 刀がゆっくり私に向け、落ちてくる。


 死を覚悟したその時、アリスは一番の親友のアスナでも、小さい頃からの付き合いであるユージオでもなく、何故かリオンのことを思い出した。リオンとこのデスゲームで出会い、過ごしてきた思い出が走馬灯のように駆け巡る。


 アリスの目から綺麗な大粒の涙が溢れ上がり、緩やかに頬へ流れた。


 リオンは、食いしん坊で、うるさくて、めちゃくちゃバカだ。でも、一度決めたことは絶対に曲げないし、大事な時は頼りになる。なにより、彼といると時間を忘れるくらい楽しかった。


 死にたく、なかった。


 そこまできて、気づいた。


――――ああ。私はリオンが好きなんだ。


 もう一度、リオンと会いたかった。そして、バカみたいなやりとりをしたかった。
 だが、それは叶わない。ここで、アリスは死ぬ。ポリゴンのかけらを振りまき、脳をナーブギアで焼かれて死ぬ。


 そう思っていた


 直後、爆音が炸裂した。



 その音にアリスはいつの間にか閉じられていた瞼を開けた。
 そして、唇から、かすかな吐息を漏らした。


「ああ・・・・・・」


 もう一度。


「ああ」
 

 溢れた涙は、数十秒前のそれとは、まったく意味合いを異にしていた。
 そこには、大量に舞い上がる粉塵の中でこちらに白い背を向けて立つ男がいた。

 
「リオ・・・・・・ン・・・・・・」


 また助けてくれた。私を助けるために、来てくれた。




「アリス、悪
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