決闘-ファイト-
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「言われなくても止めたけど聞かないのよ、あのバカ犬!」
「だったら止まるまで叫びなさいよ!」
「え〜!?」
正直無駄に終わると予感していたルイズ。さっきまで酷い仕打ちをしてきたい相手の言うことなど彼が聞き入れてくれるなど怪しい。そう思いながらもモンモランシーの気持ちを汲んでサイトに命令した。
「止めなさい!止〜め〜な〜さ〜い!止めなさいったら!!」
ルイズは喉が枯れるほど精一杯叫んだが、サイトはギーシュへと全力疾走の突撃。ルイズの声に対して聞く耳なし、というか完全に無視を通していた。
「あ、あの使い魔…主人の命令に従わないの?」
主であるルイズを明らかに無視するサイトの様子にモンモランシーは信じられないという風に呟いた。
「愚かな、ワルキューレ!」
ギーシュは薔薇の杖を振うと、杖の造花の花びらが一枚地面に落ちた。すると、その薔薇の花びらは地面に触れた途端に光ると、そこから戦乙女の姿をした等身大の青銅の人形が植物の発芽のごとく生えて出現した。
「うわ!?」
思わずサイトは足を止めて驚いてしまった。
「自己紹介がまだだったな。僕の二つ名は『青銅』、青銅のギーシュだ。したがって青銅のゴーレム、ワルキューレがお相手する。僕はメイジだから卑怯だとは言わせないよ?メイジが魔法を使って戦うのは当然のことだからね」
「んなのありかよ!一対一って話じゃ…」
そうサイトが文句をたれていると、ワルキューレは一気に接近し彼の腹に重い拳が打ち込んだ。強力な拳を食らったサイトは吹っ飛ばされてしまう。
「ぐふぅあ!?」
「サイト!?」
吹っ飛ばされた彼の元へルイズが駆け寄った。
「分かったでしょ。平民は絶対に貴族には勝てないのよ」
ルイズは心配そうな表情でサイトを抱き起こした。
「へへ…今、初めて名前で呼んだな」
「っ!こ、こんな時に何言ってんのよ!」
サイトが苦笑いしながら言った言葉を聞いて、ルイズは自分でも分からず頬を赤く染めて思わず怒鳴つけてしまった。
「…危ねえからどいてろ」
そう言いサイトはルイズを押しやって痛みに耐えながらも立ち上がった。その様子を見てギーシュが呟く。
「ほう、手加減がすぎたか」
「うるせぇ、いきなりだったから油断しただけだ」
サイトは鼻の頭を親指で撫でて強がってみせる。青銅は金属の中で脆い方ではあるが、金属は金属。人間の体に打ち込めば滅茶苦茶痛いことに変わりない。
「どうして立ち上がるのよバカ!」
「ムカつくからだよ」
「え?」
サイトの答えがルイズには理解できなかった。むかついたからといって貴族に逆らう平民がいるか?
「なぁルイズ、お前ら貴族は魔法が使えるからって人を見下せるほどに偉いのかよ…。はっきり言ってムカつくぜ。さっきお前にも言ってたけどさ、こいつの考えているこ
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