決闘-ファイト-
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った。
だが、彼女の涙を話に持ち上げられてなおギーシュは自らの罪を認めようとしない。認めなくなかったのだ。こいつの言い分は正しいと頭でわかっていても、こんな平民ごときに引き下がっては貴族の名が廃ると、かえって己の品位を落としていると言うのに彼はサイトの言葉を受け入れようとしなかった。どちらにせよ、貴族以前に人としてあるまじき振る舞いだ。
「どうやら君は貴族に対する礼儀というものを知らないようだ」
「あいにく貴族なんていない所から来たんでね」
「ふっ、いいだろう。君に礼儀を教えてやる。決闘だ!!!」
決闘と聞いた途端、周囲がざわつき始めた。ギーシュの決闘という名の責任転換がよほどのことに聞こえたのだろうか。
「決闘?」
「そう、決闘だ。君と僕、一体一でのね!」
つまり、僕を納得させたければ実力で勝って見せろと言うことか。単純な話だ。だったらこいつをとことんボコせばいい。
「おもしれえ、やってやるよ!後で吠え面かくなよ?」
「サ、サイトさんすぐに謝ってください!」
不敵に笑うサイトの傍にいたシエスタは顔を青くしていた。貴族の恐ろしさを知っているシエスタは彼が酷い目に合わないように必死だった。
「どうして?悪いのはあいつだろ?」
そんなことを知らないサイトにはなにを言っても無駄だった。もう彼の運命は一つしかない。そうとしか思えなくなったシエスタは青かった顔を白くし震えだした。
「―ちゃう…」
「?どうしたシエスタ…」
「あなた、殺されちゃう!」
ガタガタと震え、彼女はバッ!と身を翻して走り去ってしまった。
「おいシエスタ!!…どうしたんだ?」
「あははは、あのメイドは賢いね。メイジである僕の力を恐れて引き下がった。それに引き換え君はなんと愚かなことか。まぁもっとも君の主人はあの『ゼロの』ルイズだ。なら仕方ないかもしれんが」
ギーシュはわざわざ『ゼロの』を強調してルイズの名を口にした。
「おい、ルイズは関係ねーだろ! つかアイツ頭いいんだろ!!成績優秀って聞いたぞ」?
「おやおやなにを言いだすかと思ったら… 確かに頭は良いが魔法が使えない時点で彼女は優秀どころか最低の落ちこぼれだよ。そんなことも分からないとは、さすがゼロの使い魔」
ギーシュの言葉に同意するかのように他の生徒達も笑い声を上げながら好き勝手言い始めた。
内容は主人ともども無能だの、あの能なしの貴族の面汚しの使い魔だから下等なのはあたりまえだの。サイトとルイズに対してあまりにもひどい言いようだった。サイトは怒りに震えた。
こいつら貴族は人をどこまでもバカにしやがって!しかもこの騒動に関係ないルイズのことまで!
ルイズは…こんな感じにゼロって言われてバカにされてたのか。一方的に。サイトは自分がルイズをバカにしたことを思い出した。確かシュヴ
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