暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
決闘-ファイト-
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転換してきたのだ。どう考えてもギーシュの自業自得ではないか。だが、何一つ悪くないのにシエスタは顔を真っ青にしてギーシュに頭を下げた。
「も、申し訳ありませんでした!」
「謝って済む問題ではないぞ!一体どうやって償ってもらおうか?」
 手に取った薔薇を象った杖を手に取るギーシュ。魔法を使って何の罪もないシエスタを傷つけるつもりなのか。
 ピキピキ…!!サイトはこめかみの血管を膨れさせた。あん時のルイズといい、このキザ野郎といい…貴族ってのは人間的にねじ曲がりすぎた奴らばかりなのか!!?地球人じゃない人は、ウルトラマンを除けばどいつもこいつも人を傷つけるのが当たり前だと思っているのか!?
 もう我慢ならず、ついにサイトはシエスタを背に、ギーシュの前に立ちふさがった。
「止めろ!!」
「ん?なんだね君は?僕は今彼女と話をしているんだ。無粋な第三者に用はないよ」
 まるで蠅のようにサイトを厄介者扱いするギーシュは、しっしとあっちへ行くように薔薇の杖を振う。だがサイトは引き下がらない。相手が魔法を使う貴族だとか言っているが、サイトはこの目でもっと怖いものをこの目で見てきたおかげなのか、それともルイズを含めた貴族連中への怒りのせいか、ずっと貴族の圧力におびえてきたこの世界の平民のシエスタと違い恐怖を微塵も感じていなかった。
「関係あるとかないとか、シエスタこそ関係のない子だろうが!二股かけたお前の自己責任だってのに、この子に八つ当たりするなんてどうかしてるだろ!」
「そうだギーシュ、お前が悪い!」
 ギーシュの取り巻きや他の生徒達から批判的な声が上がった。中にはルイズが受けたような、ギーシュを馬鹿にする笑い声もある。しかしそれが逆に悔しくみじめに思えたのか、ギーシュは己の過ちを認めようとせず言い訳を続けた。
「僕は君が香水を拾ったときに知らないフリをした。話を合わせるぐらいの転機を気かせてもいいんじゃないかい。おかげで二人の女性が悲しむはめになったじゃないか?」
「は?誰のせいだと思ってんだよ?お前さっきの…モンモンだっけ?」
「モンモランシーだ!君は僕の愛しの人の名前を間違えるなど、彼女を馬鹿にしているのかい!」
「うるせえ!馬鹿にしてたのはてめえだろ!それになにが愛しの、だよ!さっきのあの子、去り際に涙を溜めていたのが見えてなかったのか!!それも分からねえなんて、てめえは彼女の気持ちを弄んだ糞だ!」
 間違いなくあのモンモランシーという少女は、ギーシュから遊ばれているだけの身だと思って酷く傷ついていしまっているに違いない。見るからに泣くのをこらえていた顔だ。それだけ悲しくて、怒って、そして屈辱的だったはずだ。
 自分のためなら平気で人の心を踏みにじる…このときのサイトにとって貴族とはこれまで地球を襲ってきた侵略星人となんら変わらなか
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