決闘-ファイト-
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ついた杖を持ちながら取り巻き相手に気取ってた。
『ギーシュ・ド・グラモン』。彼もルイズの同級生だ。トリステインの優秀な軍人『グラモン元帥』の息子の一人なのだが、彼の一家の男子は皆女性好きという困った部分で有名でもあった。
ふと、彼のポケットから何か小さな小瓶が落ちた。気が付いたサイトがそれを拾おうと思ったのだが、シエスタが先にその小瓶を拾った。
「サイトさん、これくらい私がやっておきますので」
ケーキ運びの手伝いのお礼のつもりだろうか。サイトとしてはこのケーキ配り事態がお礼なのだが、彼女は小瓶を落としたギーシュの元へ向かう。
「ミスタ・グラモン。小瓶を落としましたよ」
親切な子だ、とサイトはシエスタの対応に関心を持ったが、瓶を見た瞬間ギーシュの顔色が変わった。
「おい君、その瓶は僕のじゃない。下げたまえ」
「でも、確かに今…」
間違いなくあなたが落としたはずではと、シエスタが問い続けようとすると、小瓶の正体に気づいた同級生の一人が声を上げた。
「それって、確かモンモランシーの香水だろ!」
「じゃあお前、モンモランシーと付き合ってたのか」
しまった。このときのギーシュはそんな顔をしていた。何やらバレてしまったら不味いことを明かされてしまったらしい。さらに彼の視線の先には、自分の元へ歩み寄ってくる栗色髪の可憐な少女が近づく姿があった。
「ギーシュ様、噂通りミス・モンモンラシとお付き合いをしていたのですね…私のことなんか、結局ただのお遊びだったと言うわけですか!」
「ケ、ケティ…違うんだ、これは――」
「さよなら、嘘つきのギーシュ様!!」
パァァン!
ケティと呼ばれた娘の平手がギーシュの頬を叩いた。さらに入れ替わるように、ケティが走り去ると次に遠くの席から、金髪ロール髪の少女もやってくる。サイトは彼女に見覚えがあった。昨日や今朝の食堂でも顔を見た子だ。
「モ、モンランシー違うんだ! 彼女とは近くの森に二人で遠出しただけで!!」
パアアアン!!!
「最低!さよなら!!」
さっきよりも甲高い音が響くと同時に、ギーシュの頬は真っ赤に染められた手形を描いていた。だがモンモランシーの目尻にも涙が溜り、傷ついた心を表すように目が赤く染まっていた。
「…どうやら彼女たちは薔薇の意味を理解していなかったようだ」
自分を振った女の子の心を察知もせず、ギーシュは勘違いなのか、それともフラれたショックを誤魔化しているような…いや自らの過ちから目を逸らすあまり妄言を吐く。
(こいつ、本気かよ…馬鹿だな)
サイトは正直目も当てられないほど呆れていた。だが、さらに信じられない言葉を聞くことになる。
「君のせいで二人のレディが傷ついた!どうしてくれるんだね!!」
こともあろうか、彼は親切に小瓶を拾ってくれたシエスタに責任
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