主-ルイズ-
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さく言ってくるサイトをうっとおしく思ったルイズは、適当に彼の皿に丸い物体を放り出す。サイトはそれを見て目が点になる。
「よりによってくれたのが人参かよ…」
また余計に憤慨させられたサイトだった。っというか、この世界にも人参があるとは。いや、擬きと言うべきか…なんであれ、施しを与える側であることをいいことに嫌いなものを寄越すとは、こいつどこまでお子ちゃまなんだよ!と頭に来た。
――――残してんじゃねーよ。いけないんだーー。
「…?」
今のは、誰か別の生徒の声か?いや、それにしても幻聴っぽかったが。が、確かめる前にルイズの顔を真っ赤にした睨み顔がサイトに突き刺さる。
「な、何が『いけないんだー』よ!折角私がごはんを分けてあげたのにまだ生意気に注文つけてくるのかしら!?」
椅子から立ち上がってサイトに怒鳴りだすルイズ。だがサイトもつもりにつもった不満のあまり、負けないとばかりに言い返した。
「こんなふざけた待遇で使い魔やれとか、ブラック企業の方がまともだろ。相応の待遇ってもんを寄越せよ。んな常識もねえのか!」
「ひ、ひひ…人を非常識な奴みたいに言わないでくれる!?私はヴァリエール家の息女よ!」
だから常識に富んでいるんだとでも言いたいのか?だとしたらとんだ常識だ、とサイトはルイズをひどく嫌悪した。
「あらルイズ、あなた人参残してるじゃない。しかも残飯処理に使い魔を使うなんて」
ルイズにとって聞きたくもない声が聞こえてきた。キュルケだ。偶然にも、自分とルイズの間に青い髪の眼鏡をかけた小柄な少女を挟んだ形でそこにいたのだ。ルイズが人参を残したと言う情報はたちまち食堂中に知れ渡る。
「だからゼロのルイズなんだよ!いや、『チビのルイズ』かな?」
「「「わはははははははは!!!!」」」
近くで見ていた男子生徒のその言葉につられ、どっと食堂中がルイズ対する笑い声で埋まった。怒りで顔を真っ赤にしたルイズはサイトを睨み付ける。お前のせいだとでも言いたいのか。サイトはいい気味だぜと言わんばかりに逆にルイズを鼻で笑い飛ばし、食堂から去って行った。
「待ちなさいよ!!」
ルイズは止めようとしたが、それでもサイトは話を聞かずに食堂を出てしまう。しかも、これも食堂にいた生徒たちに笑われるネタになってしまう。
「見ろよ、ゼロのルイズが使い魔に見捨てられてるぞ」
「彼には同情するわね。床の上のご飯食べさせるなんて…相手が平民でも、少なくとも私はやらないわ」
緑色の髪の少年と、金髪ロール髪の少女がルイズに馬鹿にしたような視線を向けていた。
「使い魔の癖に貴族に恥をかかせて…覚えてなさい…」
ルイズは立ち去るサイトの背中を恨みがまし気に睨んだ。
「まっ、当然よね」
(こくっ…)
キュルケの呟きに、隣に座っていた青い髪の少女
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