主-ルイズ-
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エスタに、サイトが見惚れるのに時間はかからなかった。容姿もまさに美少女で、素朴で親しみやすい姿勢。笑顔も引き込まれ、声もかわいい。自分の母校にいたら間違いなくモテる子だ。
「じゃあさ、俺にも手伝えることないかな?厄介ごと任せてもうしわけないし」
「お気になさらさなくていいですよ。これが私の仕事ですから」
その後、籠を抱えてシエスタの去る姿を見届けたサイトは思った。ルイズにもあの子を見習ってほしいものだ。
そういえば、ルイズは先に食堂に行ってるから後で来るようにと言っていた。飯を恵んでくれるのだろうか?いや、何となくサイトは嫌な予感がした。あの高慢女がまともなものを出してくれるだろうか、と。
食堂は学園の敷地何にある本塔の中にあった。貴族が使うせいか随分と立派な造りで床は白と黒のチェック模様が描かれ、百人は座れる長いテーブルが学年別に三つ並んでいた。
「なんか像みたいのがあるな」
そこでルイズと…したくはなかったが再会したサイトが食堂の壁際にある小人の像を指して言った。
「あれはアルヴィー、小人って意味よ。ここはアルヴィーズの食堂だから沢山あるでしょ」
「夜動いたりすんのか」
「あら、良く知ってるわね」
「マジで動くのかよ!?」
サイトは冗談のつもりだったため思わず声を上げてしまった。真ん中のテーブルについたところでルイズはサイトに椅子を引くように命じたので、サイトは渋々椅子を引いた。
「それにしてもすげぇ豪華だな!でも…朝からこんなの食べるのか?」
サイトは歓喜しながらも、逆に朝から脂っこいものを見てどこかゲンナリした。
「何言ってんの?あんたは下」
下?サイトは言われた通り下を見ると、あまりにも信じられないものを目にした。
「あんた達は平民な上に使い魔なんだから本来ならこの神聖な食堂に入ることも許されないんだからね。特別に頼んで入れてもらったんだから感謝しなさいよね」
そう言って椅子に座るルイズ。ルイズはサイトの態度が気に食わなかった。貴族に平民が奉仕することを当然とも思わないこの生意気な使い魔にどれだけ自分が偉いかそれを叩き込まなければならない。それを徹底させようと思って用意したのは、なんと固いパンと薄味のスープだった。それも、床の上におかれたボロボロの皿に。
「朝食はやっぱり焼きたてのクックペリーパイと、お肉たっぷりの子羊のスープね」
椅子に座り、サイトの憤りを無視してルイズはナイフで肉を切り分けながら朝食を取り始めた。
「…」
せっかくシエスタやキュルケのおかげで治ってきた機嫌が、またこの女の卑劣な待遇によって一気に冷めた。
「ざけんな…こんな横暴認められないぞ。それにこのパンなんだよ!固すぎて食えねえじゃん!」
「…ふん、じゃあこれ特別に挙げる」
いちいちうる
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