主-ルイズ-
[4/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
私、タバサ連れて先に食堂に行ってるわね」
もう飽きたかのように、キュルケはせっせとキセルを返してルイズとサイトの前から歩き去って行った。
奇妙な沈黙が流れた。ルイズは床とにらめっこしながらも、サイトに命令してきた。
「…それ、メイドに渡してきなさい」
「なんだよ、洗わなくていいのかよ?」
「いいの!感謝しなさいよね…ご主人様が仕事を減らしてあげたんだから」
誰が感謝するか。サイトは心の中でそう毒をつく。まあ、いいか。サイトはキュルケがルイズに一言言ってくれたことに感謝していた。お蔭で落ちていく一方だった機嫌が回復していた。
とりあえず洗濯の手間が省けた。サイトは洗い物をしてくれそうなメイドを探しに校庭をうろうろし始める。思った以上に広くて大変だった。洗濯籠も重く、洗い場もどこなのか見当もつかない。
「あっあのー…」
「ん?」
サイトは振り向くと、そこには黒髪ボブカットのメイドの少女がいた。年は、同じくらいだろうか。ルイズのように勝ち気なところは見受けられず、素朴で少し大人しい印象だ。こんな子がメイド喫茶で働いても間違いなくやっていけそうな感じがする。胸も、人並み以上…。
「あなたはミス・ヴァリエールが召喚した使い魔さんですか?」
メイドがサイトに尋ねると、サイトは俺は何を考えているんだ!と我に返る。
「し、知ってるの?」
自分たちのことを、まだ会ってもいなかったはずのメイドが知っているので思わず聞き返した。
「ええ、平民が召喚されたと学院中で噂になってますから」
(やっぱ、そんなに珍しいのかな…?)
まあ、この世界自体自分からすれば珍しいものだらけだ。今のところ、ルイズへのムカつきっぷりが大半を占めているが。
「あ、そうそう。これ、召喚してきた女から預かってたんだけど、誰か手の空いてるメイドさんいないかな?」
洗濯籠を見せて、サイトは誰か洗濯をしてくれそうな人がいないのかを尋ねる。
「あ、それなら私が洗っておきますね」
結構思い洗濯籠なのに、彼女はこういった仕事をこなして力があるのか、軽々とサイトからルイズの服いっぱいの洗濯籠を抱えた。
「ありがとう。俺サイト、平賀サイトだ」
お礼ついでに、サイトは自分の名を名乗った。
「ヒラガサイト…さん?変わった名前ですね」
「かもな。君は?」
「私はこの学院でメイドをしているシエスタといいます」
「君もメイジ…って言うのかな?」
「いえ、まさか!私はあなたと同じ平民です。同じ平民同士仲良くしましょうね」
また平民か…彼女も同じ平民というらしいのだが、見下されたようなこの単語がサイトは好きじゃなかった。
「ありがとう、シエスタ!女の下着だからちょっと違和感がね…」
「いえ、気になさらないでください」
笑みを見せるこのシ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ