主-ルイズ-
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おい!!起きろーーー!!!!!!!!」
「にゃふ!?」
彼の突然の雄叫びによってルイズはベッドから落ちた。
「何!?何事!?」
「朝だ」
どこかの敵国から敵襲にあったかのように辺りを見渡すルイズは、サイトの顔を見てギョッ!とする。
「誰よあんた!?」
「平賀サイトだ。忘れんなよ」
「…あぁ、そういえば平民を召喚したんだっけ」
なんて奴だ…。自分で人攫いも同然の形で召喚しておきながら忘れるとか、今すぐに拳骨でもかましたい気分だ。そんな彼の苛立ちも露知らず、ルイズは背を伸ばしながら欠伸する。
「服着せなさい」
「は?」
なんで俺が?こいつは幼稚園児か?他人に服を着せてもらうなんて。サイトは目くじらを立てる。
「あのねぇ、貴族は下僕がいるときは自分で着替えをしないものよ」
実際地球でも昔の貴族は使用人に服を着せてもらうことがあったらしい。映画のワンシーンでもたまに見かける人もいるだろう。だが、女性の場合は女性の使用人に頼むはずだが、ルイズはさも当たり前のものとして命じる。
「へ、甘えんじゃね、何が貴ぞ」
「ご飯抜きにするわよ」
子供でもできるだろと言ってやろうと思ったが、そう言われ才人はぐぅのねも出せなくなった。腹が減っては戦はできない。
洗濯物を入れた籠を抱え、ルイズの部屋の扉の廊下に出ると、長い赤毛をした褐色肌の、胸元をはだけた女性が赤い巨大なトカゲ連れていた。しっぽには火が灯っていて、まるでゲームに登場しそうなモンスターそのものだった。小型の怪獣にも見て取れる。
「あらあなた、ルイズの使い魔じゃない。…へえ、本当に人間なのね」
(うお!揺れ…)
思わずたゆんと揺れたその女性の胸にくぎ付けになってしまったサイト。だがすぐに冷静さを保とうと頭を軽く振る。
「えっと…君は?俺、平賀才人」
「ヒラガサイト?変な名前」
ほっといてくれ…。サイトはムッとしながらそう呟いた。
「キュルケよ。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。よろしくね、サイト」
キュルケ…か。とりあえずサイトは彼女の名前を覚えておくことにした。ルイズの時といい、あまりにも長い名前だから、このときはファーストネームだけしか覚えなかった。
「そのトカゲは?」
「私の使い魔、サラマンダーのフレイムよ。仲良くしてやってね」
「きゅるる〜」
舌をしゅるると伸ばしながら、フレイムと名前を紹介された火蜥蜴はサイトを見上げる。ずっと飼い慣らされていたペットのように、あまり襲ってくるような気配はないようだ。
「へえ、危害は無いのか?」
「大丈夫よ。使い魔は主人には忠実だから」
だったら、撫でても大丈夫なのかな?洗濯籠を置いて、恐る恐るながらも軽くフレイムを撫でてみると、フレイムは可愛
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