才人-ジ・アース-part1/物語の始動
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の方へ逃げようとしても、体が自分の意思と関係なく浮いてしまっているせいで届きもしない。子供や女子は泣いてしまってとても他人の力を頼らないといけない状態だ。
(そうだ!高凪さんは!)
サイトは辺りを見渡し、一緒にいるかもしれないハルナを探し回る。すると、幸か不幸か彼女の姿は自分のすぐ近くだった。だが意識を失ってぐったりとしている。
「高凪さん!」
彼は彼女の手を掴んで引っ張り、彼女の体を揺すると、ハルナはうめき声をあげながらも目を覚ました。
「平賀君…?」
「大丈夫高凪さん!?怪我は?」
「う、うん…平気。でも、ここはどこなの…?って、なにこれ…!?」
自分だけじゃなく、周囲の人間が無重力状態であることに驚愕するハルナ。その表情には恐怖の色さえ見える。体も震えていてひどく怯えきっていた。サイト自身もこの状況に恐怖を感じないわけがない。これからさき、星人に何をされるかわからないし、嫌な想像をついついしてしまう。だが、自分までおびえるわけにはいかない。虚勢だとしても勇気を振り絞らなければ男ではない。
「落ち着いて。大丈夫、きっとGUYSの人たちも駆けつけに来てくれる。俺たちは俺たちのできることをするんだ!」
彼女の両肩に手を触れ、顔を引き締めて頷いて見せたサイト。ハルナはそれでも震えたままサイトにしがみつく。なんとしてもここから抜け出さなければ。
「うあああああ!!!」「きゃあああああ!!」
「どけ!道を開けろ!!」「お母さああああん!!!」
一方、地上では混乱が巻き起こっていた。秋葉原は平日でも多くの客でにぎわう街。日曜となるとその数はとんでもない。この辺りには、防衛軍がこのときのために用意した地下の避難シェルターへの入り口があるはずだ。だから、クール星人の攻撃を恐れる人々は混雑しまくりだった。だが逃げなければならない。一秒でも生きていくためには。
出動したGUYSは高速追跡機体『ガンブースター』と攻撃戦闘機『ガンウィンガー』に搭乗し、クール星人のUFOを追う。
「それにしても、以前のように標本目的に人間を浚うってことは、さらわれた人たちはいわゆる人質だ。どうやって攻撃するんですか…?」
ガンブースターに搭乗している男性隊員が言う。彼の言う通り、浚われた人たちをどうするか、クール星人の思いのままだ。攻撃されないよう、人質の救出を優先したいこちらの弱みに付け込んでくる可能性が大きい。
「いや、人質を取られても俺たちのやることは変わらない。地球を守るため、このまま敵を撃墜する」
意外なことに、ガンウィンガーに搭乗しているリュウから非常にも取れそうな発言が出てきた。
「隊長!?」
同じ機体に搭乗しているカナタは信じられないと言わんばかりに声を上げた。あの熱血な隊長が一体何を考えているのか理解でき
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