才人-ジ・アース-part1/物語の始動
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してみる。コルベールが見ていたのは、サイトの左手の甲に刻まれたどこかの古代文字のようなルーンだった。コルベールはそれをスケッチブックに書き写し、終わったところで生徒たちに呼びかけた。
「よし、春の使い魔召喚の儀式はこれで終了とします。各自、寮に戻りなさい」
彼はそういうと、生徒たちは返事をした後、杖を振う。
次の瞬間、サイトは目を丸くした。なんだこの人たちは…。空を、飛んでいる!?なんと彼らは、翼や何かしらのユニットがあるわけでもないのに、宙に浮き、校舎の方へと飛び始めたではないか。
「嘘だろ!?人間が空を飛んでる!?手品とかじゃ…ないのかこれ」
映画の撮影現場、とも思えない。ワイヤーアクションかとも思ったがそれらしいものは目視できない。本当に空を飛んでいるようにしか見えなかった。しかし、サイトは一つある予想を立てる。
(もしかして、ここにいる人たちは…)
「ルイズ!!お前はそいつと歩いてくるんだな!!」
「フライもレビテーションも使えないんじゃ、しょうがないよな!!」
「その間抜けそうな平民の使い魔、あなたにお似合いよ!」
彼が施行に入る中、ルイズに向けて空を飛んで校舎へ行く生徒たちからのゲラゲラ笑いが降ってきた。そんな嘲笑を聞き、ルイズは握りこぶしを握り、顔を俯いたまま震えており、このうえなく悔しがっていた。
「あんた、一体何なのよ!」
見るからに八つ当たりにしか見えない。ルイズはサイトに対して怒鳴って見せたが、対するサイトからは無反応だった。何か、奇妙な言葉をぶつぶつ呟いていたのだ。
「俺は確かに東京の秋葉原にいて、でも気が付いたらここに…」
「無視するな!」
無視されて腹を立てた彼女は、サイトの足を思い切り踏んづけた。
「痛って!何すんだよ!!」
「あんたが貴族であるこの私を無視するのがいけないんじゃない!」
さっきからなんなんだこいつは。二人は互いのことをそう思っていた。ルイズにいたっては、ずいぶんと不遜な態度をとる無礼な平民、しかもよりによって公爵家出身の自分にとてもふさわしい使い魔とは思えない奴。サイトにいたっては、人間がトリックもなしに空を飛ぶと言う見たこともないアクションを見せられて混乱していると言うのに、何者だとさっきからギャーギャー喚いてばかりの年下に見える生意気な娘に怒鳴られて不愉快。
(さっきからなんだこの女!!むかつく!かわいくねえ…)
しかし、サイトはルイズの関ら顔を見てすぐ考えを改めた。少なくとも最後のだけは。
(い、いや…よく見たら結構かわいいかも…)
今更だが、ルイズの容姿は自分の好みであることをサイトは認識した。
「何ボケボケしてんの!ついてきなさい!」
すると、ルイズは急にサイトの襟首をつかんで引っ張り始めた。
「痛っ!いきなりなんだよ!引っ張るなって!
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