才人-ジ・アース-part1/物語の始動
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「ぎゃははははは!さっすがゼロのルイズだぜ!」
「ゼロのルイズ! サモン・サーヴァントで平民を呼んでどうするんだよ!!」
「もしかして、新手の手品か?魔法が使えないからって爆発に紛れ込ませて、あたかも召喚したように見せかけるにしても、平民はないだろ平民は!!」
またしてもルイズをあざ笑う野次が飛ぶ。しかも中には、実は成功したのではなく、彼女の偽造工作ではないかと疑う者までいる。
「ちょっと失敗しただけよ!!!」
「そう言って、いつも失敗してるわよねぇ」
「なんですって!」
赤髪のグラマラスな体形の女子生徒からも笑われ、ルイズは今まで以上にいきり立つ。
「黙りなさい!!」
しかし、うるさく飛び続けていたヤジも、コルベールの注意を呼びかける叫びで止まった。
「よってたかって一人の生徒を見なして笑うなど、みっともないですよ。慎みなさい」
いや、一人黙らなかった者がいた。それも、人間性を疑いたくなるように一言を発して、あたかもそれこそが正しいと言わんばかりの態度で。
「先生、僕たちは人の皮を被った家畜を笑っていたのですよ。ま、魔法がロクに使えもしない出来損ないのゼロのルイズには家畜の使い魔がお似合いでしょうね」
ブチ!!
ルイズは今すぐにでもこの男子生徒を殴り飛ばしたくなった。名門貴族出身だから淑女たる者相手を殴り飛ばすなどあってはならないことと教えられたが、それでも殴りたくして仕方なかった。しかしコルベールもこの生徒の失言を看過できなかった。
「…ミスタ・ロレーヌ。君は貴族以前に、人として恥ずべき発言をした。授業終了後、私の実験室へ来るように」
「そ、そんな!ミスタ・コルベール!?」
当然の判断なのにヴィリエと呼ばれた少年は青ざめる。周りの生徒たちも、彼の二の舞になるのを恐れ閉口した。
「さて、ミス・ヴァリエール。彼と契約を」
「ミスタ・コルベール!これは失敗です!もう一度やり直させてください!」
ヴィリエから視線を移し、コルベールはルイズに言うと、対する彼女は納得できないとばかりにやり直しを求めた。だが、コルベールはルイズの要求を拒んだ。
「それはダメだよ、ミス・ヴァリエール。これは決まりなんだ。この春の使い魔召喚の儀式で一度呼び出した使い魔の変更は認められない。なぜなら、これは伝統ある神聖な儀式だからなんだ。呼び出した以上、好む好まざるにかかわらず君はそこの二人を使い魔にするしかない」
「でも、平民を使い魔にするなんて聞いたことありません!!!」
「例外は認められないよミス・ヴァリエール。彼らはただの平民かもしれないが、君が呼びだした立派な使い魔なんだ。それに君が何度も失敗したせいでこの後の授業の時間も押している。さあ、契約するんだ」
コルベールに諭されルイズはしぶしぶといった表情で少年の方
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