才人-ジ・アース-part1/物語の始動
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なかった。だが、リュウの話はまだ終わっていなかった。
「考えてもみろ。いくら人質の命を救って奴らを叩きのめすのが理想であっても、俺たちは奴らの手から確実に地球を守るためにも、場合によっちゃ人質を見捨ててでも奴らを殲滅しなきゃいけねぇ。なんたって、俺たちには地球と、そこに生きる何十億の人類の未来がかかってるんだからな」
「それは、そうですけど…!」
「まあ聞け。標本を集めてるってことは、あいつらもそう易々とさらった人間は殺すことはできねってことだ。代わりがあるから、なんて言ってきたとしても、殺した人間が他にはない特徴を備えている可能性を孕んでいる以上、貴重な材料を手放すような真似はできない。
第一人質ってのは、劣勢の側にとって最後の盾で命綱だ。言うことを聞かなきゃこいつを殺す、なんて言ったところで、それは奴らにとって自ら盾を捨て去るも同然。最期に人質しか残らなかった時点で、そいつらの負けだ。後は連中が諦めるまで膠着状態を続けていきゃいい」
「な、なるほど…」
それを聞いて、クルーたちは納得した。あくまで可能性の範囲内での話だが、クール星人の目的を考えればそうなのだろう。
「人質のことはそれでいいのですが…敵は一体どこから攻撃を?」
空を見上げながら、ガンブースターに搭乗する隊員の一人はそうつぶやく。見たところ敵の姿はどこにも見当たらない。すると、フェニックスネストに待機させたオペレーターからの通信が入る。
『敵の宇宙船には光学迷彩機能が備わっています。姿をあぶりだすには、出撃前に緊急で搭載した特殊噴霧弾を使ってください。レーダーで奴らの位置は把握しています。誘導に従って敵の位置を特定、ガンブースターに搭載した特殊噴霧弾で姿をあぶり次第、ガンウィンガーは敵を撃墜してください』
クール星人を相手に防衛軍は、確かに手を焼いたことはある。だが、あれからもう何十年も過ぎた。地球人はここまで強くなったのだと、己の野望のために好き勝手する侵略者に見せつける時だ。
「よし、作戦通りに動くぞ!」
「G.I.G!」
気合の籠ったリュウの激励の言葉を開戦の狼煙として、GUYSは作戦を開始した。
『ガンブースターの位置より10時の方向、約100m先、そこにクール星人のUFOがいます!敵の数は一機!』
「よし、特殊噴霧弾、発射!」
ガンブースターに搭乗する隊員が、ナビゲーターに指示された通りの方角にロックオンし、トリガーを退くと、ガンブースターより一つのミサイルが発射され、100mさきの位置で爆発、赤い人口の霧をまき散らした。
特殊噴霧弾の効果は抜群だった。作戦通り、二本のキノコを生やしたような三角錐の赤い飛行物体、クール星人の小型円盤が姿を現したのだ。
「今だ!ウィングレットブラスター、ファイア!」
姿が明るみとなったクール星人のU
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