第一部
第零章 プロローグ
消失-ヴァニッシュ-
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さんは帰還してください。黒崎隊員については、MPに捜索させます』
「…了解。これより帰投します」
和倉は帰投命令を呑むことにした。優の探知をもってしてもまだ見つからないのなら、言う通り時間と体力の無駄使いだ。ハンドシグナルで皆に帰投すると伝えると、和倉に続いて詩織と凪は吉の方へ走り出した。
(シュウ…)
孤門は、シュウの消えた真っ暗な路面の先を振り返ったが、悔しそうにしながらも和倉たちと共に基地へと引き返した。
CIC作戦参謀室。ここが吉良沢優の仕事場だ。水中をふよふよと泳ぐクラゲの入った縦長の水槽と、デスクに置かれた高性能のコンピュータの光に照らされた暗い部屋。普通は長く留まりがたい環境だが、彼は一日の大半をここで過ごす。自分が手を抜けば、どこかで被害が出る前にビーストの居場所を特定できなくなる、そして発見するまで時間をロスした分だけ被害がでるからだ。
優には、コンピュータを扱う情報技術だけじゃない。完全とはいかないが未来を予知する力がある。子供の頃、その能力を使って未来に出現するであろうスペースビーストの姿を予知し、絵に描いたのだ。それが、彼がイラストレーターとも言われる理由だ。
(彼の未来が…見えた。
謎の白い発光体に包まれ、姿を消す。まるで、最初の『適能者(デュナミスト)』が赤い発行体と遭遇して一時行方が分からなくなった時みたいに)
謎の発光体によるシュウの消失。皆には言わなかったが、これは、何かの前触れなのか?
奇妙な胸騒ぎを感じた優だった。
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