第一部
第零章 プロローグ
消失-ヴァニッシュ-
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、戦いの中にこそ自分の道があると思っていた。
そのままバイクを走らせ、黒部ダムへ向かうシュウ。だが、その時彼はバイクを急停車させた。奇妙な現象が起こっていた。
「…!?」
自分の目の前に突如現れた、浮遊する白い発光体。新種のビーストか何かか?
左腕に装備したパルスブレイカーを見やるシュウ。これはテレビ電話のように相手の顔を見ることができる通信機であると同時に、近辺のビースト振動波を探知できる機能が備わっている。他にも低威力の銃器やスタンガンとしても使える代物なのだ。
だが、この発光体からビースト振動波が検知されない。ならばこの発光体は一体何なのだ。
連絡だけでも取らなくては。パルスブレイカーを機動し、回線をフォートレスフリーダムのコマンドルームにいる仲間たちに繋げた。
「こちら黒崎。隊長、聞こえますか?」
『こちら和倉だ。どうした?』
通信に応じたのは、隊長の和倉だった。
「現在黒部ダムへの道路上にて、白い発光体を発見しました。応援を願います」
『白い発光体?…見せてくれ』
和倉から見せるように要求されたシュウは、パルスブレイカーの画面に映っている和倉に発光体を見せる。
『なんだ、この光は?』
発光体を見たときの彼の反応はシュウと同じ反応だった。きっと向こうにいる孤門たちも同じだろう。
『こちらCIC。僕の方でもその発光体は見させていただきました』
「イラストレーター」
この白い発光体については、イラストレーターこと吉良沢優も聞きつけていた。
『こちらでも探知してみましたが、その発光体からはビースト振動波はありません。おそらくビーストとは別物です。ですが、万が一のこともあります。黒崎隊員、くれぐれも迂闊に近づかないでください。ただし、あなたの身に危険を及ぼした場合、応援が来るまで耐えるか、射殺してでもその場をしのいでください』
(やはり、ビースト振動派波がないか)「了解」
これでよし。通信を切ったシュウは、いつでも万が一逃げ切れるようにバイクに乗ったまま目の前の発光体を、5mほど離れた場所から見て、パルスブレイカーをガンモードに変形させ、いつでも弾を撃てるように構える。さて、この発光体の正体はなんなのか。隊長は自分たちが来るまで耐えろとは言っていたが。ここから黒部ダムまで距離はほとんどない。皆すぐに来るだろう。
…一分ほど経過しただろうか。発光体はこちらには何もしかけてこない。まるで向こうもこちらの様子をうかがっているように見える。
「黒崎!」
シュウの名字を呼ぶ声が、路面の山岳方面から聞こえてきた。ほどなく、ナイトレイダーの仲間たちが駆けつけてきてくれた。これで万全か…と思ったその時だった。
「!」
白い発光体が、動き出した。それも予想以上に速い速度だった。シュウはパルスブレイカーを発射して
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