第一部
第零章 プロローグ
消失-ヴァニッシュ-
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がビーストをおびき寄せ狂暴化させてしまうことを知ったTLTは、『MP(メモリーポリス)』に記憶の改ざんを行わせ、被害者からビーストへの恐怖心を消すことを生業とした。だが人間の恐怖はそのセーフティを破り、ビーストが活発化していくうちに記憶消去が間に合わなくなっていく。やがてそれが限界に達した2009年秋、ついに強大なる敵が現れ、世界を荒らしてしまう。
しかしこの戦いは、再びウルトラマンが人々の祈りを聞きつけるかのごとく現れ、見事その敵を撃退したのである。
それから約1年。ビーストは絶滅こそしていないが、当時からのTLTの主戦力部隊である対ビースト迎撃チーム『ナイトレイダー』の活躍で被害は0とまではいかなかったが最小限に止められていた。
日本支部第3基地。神奈川県内にあるダムに偽装した巨大基地『フォートレスフリーダム』。水底に存在するその基地はSF映画に登場する要塞さながらの風格があった。その基地のコマンドルームには、5人の男女で構成されたナイトレイダーが待機していた。
テレビ回線につなぎ、ビーストの被害状況を見ているのは隊長の『和倉英輔』。ビースト殲滅に使用する銃火器の手入れをしている、クールな女性は副隊長の『西条凪』。ネイルアートで暇をつぶしている女性はこのチームのムードメーカー『平木詩織』。ノートPCでビーストの特徴をチェックしている男性は若々しさと勇敢さが最も目立つ『孤門一輝』。そしてもう一人、凪とどこか似たような雰囲気を漂わせる、まだ10代後半に見受けられる青年が別室の射撃場で的を銃で撃ち抜いていた。
すると、待機していた各隊員たちに向け、警報がフォートレスフリーダム内に鳴り響く。
『第三種警戒発令。ナイトレイダーにスクランブル要請』
全員集合し、ヘルメットとプロテクターを装着して特殊銃器『ディバイトランチャー』を手に、エレベータブースに駆け込む隊員達。左から和倉・凪・孤門・青年・詩織が入る。
「出動!」
全員が入るのを確認し、和倉が高らかに宣言、五人は勢いよくコマンドルーム真上に用意された、飛行兵器『クロムチェスター』の格納庫へ射出された。
チェスターαに凪、γに詩織と孤門、βに和倉、Δに青年が搭乗する。満月の下、ダムに偽装された発進ゲートが開いて、4機のクロムチェスターが発進した。
目的地は廃工場。そこに今回の殲滅対象がいた。
カブトムシとゴキブリに酷似した『インセクトタイプビースト・バグバズン』。
『以前討伐した際と同じ流れで。ターゲットは一度冷凍弾で凍らせ、ナパーム弾で一気に仕留めてください』
今の声は若き作戦参謀長、CICこと『吉良沢優』。彼はビーストの姿を絵に描いて予測することから『イラストレーター』というあだ名でも呼ばれる。彼のIQは非凡な数値を秘めており、これ
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