拠点フェイズ 4
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それを横目に見ながら、私は唐突に襲ってきた言い知れぬ不気味さに、思わず身を震わせていた。
―― 孫策 side ――
やっと……戻ってきたのね。
わたしは馬の背に揺られながら、視界に入った建業の城壁を姿に、涙が浮かぶのをぐっと堪える。
「フッ……雪蓮。我慢しなくてもいいのだぞ」
不意に聞こえた声。
それに気づいて、慌てて目元をこする。
「や、やーねぇ! なんのことかしら?」
「フッ……強情っ張りめ」
いつの間にか、わたしに並んで馬を操る冥琳。
その顔は、苦笑しつつも優しい目で私を見ている。
「ホラ見てみろ。あの城壁の上を……」
「……っ、な、何よ……」
ゴシゴシと目元を拭き、目を凝らす。
そこには――
「お姉様ーっ!」
「おっねぇっさまーーーーーっ!」
城壁の上から手を振る私の妹たち。
蓮華と小蓮の姿が見えた。
* * * * *
「ひさしぶりぃ! お姉様っ!」
「シャオ! あなたも元気してた?」
建業の城門に入るやいなや、飛びついてくる小蓮。
末妹のシャオは、いつも元気いっぱいで私を迎えてくれる。
この子には、いつも元気をもらってばかりね。
「もっちろん! 毎日、川や山で遊んでるもーん!」
「ふふ、もう……遊んでばかりで勉強はしていたの?」
「もっちろん! ちゃんと――」
「嘘をつくな。シャオが宿題をちゃんとやったところを、私は見たことがないぞ?」
その後ろから微笑みながらやってくる蓮華。
孫家の次女であり、わたしの大事な妹。
「ふっふーん! 本当の智ってやつは、机上で学ぶものじゃないもんねー」
「やれやれ……」
蓮華の溜息に、思わず笑ってしまう。
「ふふ……そうね。でも、智は学べなくても、知は机上で学べるわ。そして智は、机上で学んだことを応用することから始まるのよ?」
「「 えっ………………? 」」
わたしの言葉に、二人が驚愕したように唖然としている。
あら……?
「どうしたの、二人共?」
「お、おおおおおおおおお姉様!? どうしたというのですか!?」
「お、お姉様が……お姉様が、カンでなくマトモなことを言っている……!?」
「……二人共、ちょっとひどくない?」
わたしだって盾二と知り合ってから、それなりに勉強はしているんだから!
「フフッ……やはり驚かれましたか。蓮華様も小蓮様も。期待通りですな」
「めーえーりーんー……どういう意味かしらぁ?」
思わずこめかみがピクピクしちゃうわよ!?
「め、めめめ冥琳……? お、お姉様はなにか変なものを食べたとか? いえ、食べたのですね
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