暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 馬岱 公孫賛 曹操 孫策 孫権
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 それを横目に見ながら、私は唐突に襲ってきた言い知れぬ不気味さに、思わず身を震わせていた。




  ―― 孫策 side ――




 やっと……戻ってきたのね。

 わたしは馬の背に揺られながら、視界に入った建業の城壁を姿に、涙が浮かぶのをぐっと堪える。

「フッ……雪蓮。我慢しなくてもいいのだぞ」

 不意に聞こえた声。
 それに気づいて、慌てて目元をこする。

「や、やーねぇ! なんのことかしら?」
「フッ……強情っ張りめ」

 いつの間にか、わたしに並んで馬を操る冥琳。
 その顔は、苦笑しつつも優しい目で私を見ている。

「ホラ見てみろ。あの城壁の上を……」
「……っ、な、何よ……」

 ゴシゴシと目元を拭き、目を凝らす。
 そこには――

「お姉様ーっ!」
「おっねぇっさまーーーーーっ!」

 城壁の上から手を振る私の妹たち。
 蓮華と小蓮の姿が見えた。



  * * * * *



「ひさしぶりぃ! お姉様っ!」
「シャオ! あなたも元気してた?」

 建業の城門に入るやいなや、飛びついてくる小蓮。
 末妹のシャオは、いつも元気いっぱいで私を迎えてくれる。
 この子には、いつも元気をもらってばかりね。

「もっちろん! 毎日、川や山で遊んでるもーん!」
「ふふ、もう……遊んでばかりで勉強はしていたの?」
「もっちろん! ちゃんと――」
「嘘をつくな。シャオが宿題をちゃんとやったところを、私は見たことがないぞ?」

 その後ろから微笑みながらやってくる蓮華。
 孫家の次女であり、わたしの大事な妹。

「ふっふーん! 本当の智ってやつは、机上で学ぶものじゃないもんねー」
「やれやれ……」

 蓮華の溜息に、思わず笑ってしまう。

「ふふ……そうね。でも、智は学べなくても、知は机上で学べるわ。そして智は、机上で学んだことを応用することから始まるのよ?」
「「 えっ………………? 」」

 わたしの言葉に、二人が驚愕したように唖然としている。
 あら……?

「どうしたの、二人共?」
「お、おおおおおおおおお姉様!? どうしたというのですか!?」
「お、お姉様が……お姉様が、カンでなくマトモなことを言っている……!?」
「……二人共、ちょっとひどくない?」

 わたしだって盾二と知り合ってから、それなりに勉強はしているんだから!

「フフッ……やはり驚かれましたか。蓮華様も小蓮様も。期待通りですな」
「めーえーりーんー……どういう意味かしらぁ?」

 思わずこめかみがピクピクしちゃうわよ!?

「め、めめめ冥琳……? お、お姉様はなにか変なものを食べたとか? いえ、食べたのですね
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ