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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
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の遺体を見つけたそうだけど……本物?」
「ああ、そうやな。うちは洛陽で劉虞を見たことあるから知っとる。あれは間違いなく劉虞やったで」
「そう……」

 あれだけのことをした劉虞が前線に……?
 居たとしても攻城戦の最中、後ろを取られたとはいえ、数多くの逃亡兵に紛れて逃げたであろうはずなのに……

「それにしてもおかしいんですよ、華琳様」
「季依、何がおかしいの?」
「えっとですねー……劉虞なんですけど、遺体がおかしいんです。なんというか……」
「……? どういうこと?」

 私は霞に視線を向ける。
 すると霞は、肩を竦めて溜息を吐いた。

「周囲で死んどった護衛の兵らしきやつらの腐敗状態からして、数日は経っとるはずやねん。けどな、劉虞はまるでさっきまで生きとったかのように腐ってないんよ」
「……は?」

 劉虞は、先程逃亡して逃げたはずでしょう?
 それなら他の死体は、別の時に死んだもので……劉虞は後でその上に死んだのではないかしら?

「それがな。劉虞を見つけたんは偶然やねんけど……人の死体が折り重なって纏められた固まりの中に埋もれてたんや」
「……なんですって?」

 死んだ死体が邪魔にならないように、適当にまとめて放置するのはよくあること。
 つまり、その中に隠れたまま死んだということ……?

「たまたま捜索しておった兵が、装飾の着いた服の袖を見つけたんやけどな。それでも他の死体の腐敗具合から見てもおかしいねん。しかも、劉虞は死んどるが、その体には傷らしい傷もない。表情も呆けたような顔で死んどって、毒を盛られたような苦悶の表情もないんや」
「………………どういうこと?」
「わからへん。わからへんから不思議やっちゅうとる」

 霞の言うことを推察するなら、死体の中で埋もれながら数日は生きていたということ。
 そしてそこで死んだ……傷もないのに?
 そんなことがありえるというの……?

「普通ならそんな中で、数日も身を隠すのもおかしいやろ? せやけど、兵が死体をどけるまで、そこにさっき隠れたようには見えへんほど折り重なって積もれていたし……」
「………………」

 霞と季依、そして最初に報告に来た春蘭も互いに首を傾げていた。

「……もし、劉虞が数日前に死んでいたとしたら、先程まで北平を攻めていた劉虞軍は誰が……?」
「華琳様……」
「……………………いえ、ともかく劉虞の死は確認できたのね?」
「ああ。それは間違いないで」

 霞の言葉に頷く。
 謎は残るが、今はそれを考えても仕方ない。

「とにかく、死亡が確認されたなら参加している麗羽たちに宣言しなくてはならないわ。秋蘭、すぐに戻ってきた各諸将を呼びだして」
「御意」

 秋蘭が、急ぎ手配をしはじめる。
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