拠点フェイズ 4
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ており、なおかつそれを隠すこともない、そう言ったのだ。
つまり、そんなものは大したものではない、ということ。
あの天の御遣いにとって、じゃがいもという奇跡の食材は、機密ではないということなのだ。
つまり――
(もっと大きな秘密がある……じゃがいもなんかとは比べ物にならないほどに)
それこそが、たった二年で梁州を大陸有数の強国へとのし上げた要因なのかもしれない。
そして、それをより盤石なものとしている三州同盟の存在も――
(けど、少し揺らぎ始めたのかもしれないわね)
そう考えて、少しほくそ笑む。
そう……三州同盟の一つ、益州は今回、劉虞に与した。
それゆえ、実際に連合に参加した劉備と劉表にとっては望まない戦いに駆り出されたことになる。
これにより三州同盟にヒビが入る可能性が出てきたのだ。
(それでも今回の連合の結果により、三州同盟の中で一番の実力者は梁州であることが、劉表にも劉焉にも伝わったはず――)
一番最弱と思われていた国が、実は最も強国であった事実。
これに対して劉表はともかく、劉焉はどう動くのか――
「少し、楽しみね……」
「華琳様?」
私が思わず呟いた言葉に、秋蘭が声をかけてくる。
「ふふ……ごめんなさい。ちょっと考え事をしていたわ」
「は……ともかく、劉備陣営と公孫賛の動きは今後も厳密に調べることとします」
「そうして頂戴。それから――」
「華琳様っ!」
私が秋蘭に別の用件を頼もうとした矢先、天幕に一人の人物が入ってくる。
「春蘭? ずいぶん早いわね……あなたには劉虞軍の追撃の指揮を任せていたはずだけど」
「はっ! その件ですが……劉虞の死亡が確認されました」
「……………………なんですって?」
春蘭の言葉に、周囲の兵たちも顔を見合わせている。
「……それは本当か、姉者」
「ああ。今、季依と霞が確認しているが……」
「……どういうこと? 戦闘に参加していたというの?」
北平を攻撃していた軍に、劉虞自身が陣頭指揮をとっていたと……?
「いえ、それが……」
「失礼しますー!」
逡巡する春蘭の声を遮るように、新たな声の主が天幕へと入ってくる。
「華琳様ー! 只今戻りましたー!」
「戻ったでー……おお、惇ちゃん。もう戻っとったんかいな」
許?と張遼――季依と霞だった。
「惇ちゃん言うな! というか、二人共ずいぶん早いな」
「えへへー……霞さんの馬、すごく早いんですよー!」
「神速張遼は伊達じゃないで? おっつけ討伐軍全体も戻ってくるやろ。」
二人の言葉に、思わず苦笑してしまう。
けど、報告を先にしてもらわないとね。
「こほん……で、季依、霞。劉虞
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