拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 馬岱 公孫賛 曹操 孫策 孫権
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何故です!? 何故、私ごときにそのような恩賞が……?」
「…………………………」
私の言葉に、訝しげに眉を寄せた曹操は、ふと思い至ったように表情を変えた。
「……なによ。貴女、本当に何も関わっていないの……?」
「………………は?」
一体、曹操は何を言って――?
「そう……私の勘違いだったわけね。あの天の御遣いは、一体何を考えているのやら……」
「は…………?」
「…………ふぅ。なんでもないわよ。さっきの発言は忘れていただけるかしら、薊侯・公孫伯珪殿」
「え? あ……は、はい」
私には曹操が何を勘違いし、何を考えての発言だったのか、まるでわからない。
「ありがとう。お礼に何かあれば協力を約束するわ。平原は我が領地である?州に近い。貴女の本拠である北平からは飛び地にもなるでしょう。なにかあれば力になるわ」
「あ……ありがたき幸せ!」
突然の曹操の譲歩。
というより、破格の対応……どういうことか?
あまりの急展開についていけない私を余所に、二言三言謝辞の応対のみで、私はその場を離れることになった。
―― 曹操 side ――
「はあ……まいったわね」
私の言葉に、隣にいた秋蘭が苦笑する。
「華琳様……よろしかったのですか? 空手形とはいえ、協力を約定するなど……」
「しょうがないわよ。見込み違い……いえ、過大評価しすぎて墓穴を掘ったのはこちらだもの」
この場に桂花がいれば、苦言を言われていたわね。
我ながらドジを踏んだものだわ。
「……公孫賛と劉備は親密なる関係です。しかも、あの天の御遣いを含め、劉備陣営は全員公孫賛に恩がある。ならば全ての黒幕が公孫賛……という予想は外れましたね」
「劉虞にアレだけ手酷く嵌められていたのすら、討伐軍が来るとすぐに瓦解したことを考えれば、本当に偽装なのかもしれないと思い始めていた矢先だったもの……まさか本当に関係がないとは思わなかったわ」
天の御遣いの公孫賛に対する過剰とも言える対応に、不信感があったのは確か。
そして劉備たちが褒賞を殆ど受け取らなかったのも、公孫賛が計ったことだと思えば……とも考えたのだけど。
どうやら見立ては、完全に間違っていたらしい。
「正直、今さっき面会するまで、公孫賛を侮っていたと悔やんでいたけど……まさか関係ないなんてね。自分の目が節穴でなかったことは嬉しいけど、釈然としないわ」
「……申し訳ありません。私が穿った意見を言わなければ……」
「ふふ……貴女のせいじゃないわよ。貴女の考えを『そうかもしれない』と思って動いたのは、私だもの。どの道、損はないわ。平原を公孫賛が治めるとなれば、間にある麗羽の事を考えても繋ぎをとっておくのは
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