拠点フェイズ 4
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様の、あのほわっとした雰囲気もいいよねぇ」
「た、たんぽぽ? お前そっちのケがあったのか……」
「……小姫様が、小姫様が……」
馬岱の態度に、馬超はドン引きし、老人は頭を抱える。
二人にとって、たった三ヶ月で大事な身内が豹変したように感じていた。
「そ、それで、おみやげとは何なのですかな?」
「ああ、うん、そうそう! 爺やも姉様も聞いて! すんごいおみやげもらったんだよ!?」
「……ああ。献帝陛下から戴いたものか」
馬超が、帰ってきた騎馬兵達が重そうに運んでいる宝物を見る。
だが、それに対して馬岱は、ちっちっちと人差し指を左右に振った。
「まあ、それもおみやげなんだけどね。それよりももっといいものだよ!」
「もっといいもの? 一体何を陛下から下賜されたんだ?」
「ううん。陛下じゃなくて北郷さんから」
「なに!? 盾二から!?」
『盾二から』の言葉に、急に目を吊り上げて馬岱に詰め寄る馬超。
「言え、たんぽぽ! 盾二から、一体何を貰ったっていうんだ! あたしだって盾二から物を贈られたことなんてないのに――」
「ちょっ、お姉ざま! ぎぶぎぶ、ぐるじぃ……」
馬の上からものすごい勢いで引きずり降ろされただけでなく、胸元を締め上げるようにガクガクと揺らされる馬岱。
頸動脈が完全に決まっているため、馬岱の意識が急激にフェードアウトしかける。
「だ、大姫様! 小姫様が死にます! おやめくださ――」
「大姫言うなっ!」
「じょ、じょうびめ言ぅ……ひぅ」
「あああああああ! わかりましたから、手をお離しに!」
あと一秒で完全に気絶する寸前に開放される馬岱。
大勢の兵の前で、あわや人死が出るところだった。
「ぜー……ぜー……ほ、ほんっとに、手加減てものが、できないんだから……」
「ふ、ふんっ! お前が軟弱なんだ!」
「そ、それが、従姉妹を、殺しかけた、人の、言う、言葉……」
「……小ひ、馬岱様。無理に喋らず、まずは落ち着きなされ」
青い顔でゼヒゼヒ言いながら、文句を言おうとする馬岱。
老人は溜息をつく。
「はぁ……まったく。お姉様の勘違いだよ。確かに北郷さんはたんぽぽにこれをくれたけど、これはたんぽぽ個人に、じゃなくて涼州に、だもん」
「? どういうことだ?」
訝しげに眉を寄せる馬超。
隣にいた老人も同じく眉を寄せる。
すると馬岱は、腰につけていた袋を取り出して二人の前に差し出した。
「……これ?」
「この汚い袋を戴いたのですか? さすがにこれがすごいものとは――」
「いや、中身だってば。えっとね」
そう言って袋から中身を取り出す。
それは、少し黒ずんだ種だった。
「? なんだこれ?」
「……なに
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