8.手合わせ(後)
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ようとも、攻撃が届かなければ手の出しようがない。
追いかけてくるであろう幾体かの使い魔を片付け、本格的に彼女との雌雄を決しようと冷静に目算を付けたシグナムに対し、彼女はシグナムを逃す気は無かった。
彼女はジャックランタンを引っ込めると、カードを入れ換えるイメージを浮かべ、改めて召喚器を当てる。
「ペイルライダー!」
馬に乗る、黙示録にも名を記す死神が彼女から顕現したと同時に彼女が馬に飛び乗ると、ペイルライダーは愛馬を駆りシグナムを追走する。
その速さは元々一定の距離を取るだけのつもりだったシグナムを軽く越え、瞬く間にシグナムとの距離を詰める。
だがシグナムの判断もまた早く、ペイルライダーが距離を詰め切る前に《バインド》を発動し、ペイルライダーの馬を拘束した。
馬が動けなければ距離を詰める事は出来ない。
『ユニバース』なら兎も角『ワイルド』にはそういう力は無いから当然であるが、その当然を素直に受け入れる彼女ではない。
彼女は召喚器を構えた状態でペイルライダーを足場に跳躍し、ペイルライダーを引っ込める。
大多数の観戦者が目を見張るが彼女は跳躍途中で召喚器の引き金を引き、ペイルライダーを再召喚。
彼女が落下する寸前にペイルライダーが彼女を拾い上げる。
無理に《バインド》から逃れはしたが、無防備な姿を晒す事になりそれを見逃す程シグナムは甘くはない。
妨害無しで放たれた《飛竜一閃》は防がれる事無く彼女とペイルライダーの所まで届く。
彼女はペイルライダーにキャッチされたトコロで体勢は最悪、ペイルライダーも両手が塞がっている。
全員が燃えたぎる炎を纏ったレヴァンティンが彼女等に命中すると思った。
そして確かにレヴァンティンは彼女に届き、彼女を焼くという点では命中したと言えるだろう。
だが、それと同時に今日一番の衝撃が見ていた全員を襲った。
シグナム渾身の一撃たる《飛竜一閃》は大概のモノを焼き払うに足る火力を秘めている。
バリアジャケットで受ける分には多少の火傷は免れないにしろ、素で受けるのに比べれば天と地程の差はある。
彼女が借り受けたバリアジャケットは、手袋の類いは手の感覚が狂うという理由でグローブ無しのタイプ。
そして彼女は今、体勢は最悪で薙刀で防げないわ《真・斬撃見切り》のスキルをペイルライダーは習得してないわで直撃しそうになったレヴァンティンを、やむ無く薙刀を持ってない手で不恰好な真剣白羽取りを行う羽目になっていた。
バリアジャケットにグローブはついてない為、当然素手である。
急速に手が焼き焦げてく痛みと肉の焼ける香ばしくも嫌な臭いに顔をしかめながら、彼女は現在進行形で悪化していく手に構わず仲間達が側に居ればお説教コース一直線な
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