十話 無欠
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「そうだな。もしあの人に彼氏なんかがいたら、そいつは多分コンプレックスだらけになりそうだな」
(そう考えると、原作の男主人公はよくもまぁ、あんな人に・・・)
「ま、ここにも完璧人間はいるけどなー」
友近がこっちをジーと見つめながら言う。
「確かに、こんなとこにもいたわ。何?同族嫌悪?」
伊織までもがこちらを見てくる。
「おいおい。なんで俺がそうなるんだよ」
「その上、話しかけやすい、友達が多い、なんてなれば、もうこいつの方が完璧なんじゃね?」
友近が呆れたような、それでいて諦めたような顔で言う。
「しっかし、それと友達の俺達ってどうなんよ」
「そうだよ、勉強は天と地ほどの差があって」
段々と二人の間の空気が重くなっていく。
「フェイスの方も俄然負けてて」
「運動神経もなんかいいらしいし」
さらに空気が重くなる。
「友達の数も、もちろんまけてて」
「その上こいつは女友達がいて」
さらに空気が(ry
「なのになのに、若干フラグ建て気味で」
「チックショウ!なんだ!なんなんだ!?この差は!」
何故か爆発した。
「天は人にニ物、いや三物ならぬ四物を与えるってかぁ!?」
そう言って二人は勝手に落ち込んだ後、机をバンバンを叩き、天を仰ぎ見るように叫んだ。
「ジュンペーうるさい」
いつからいたのか、岳羽さんが俺の席の前に立っていた。
「お、うるさくしてゴメンね」
一応謝っておく、原因の8割は俺にあるのだから。
ちなみに残りの2割はこいつらがただ勉強してないってのがある。
「気にしないで。どーせまた二人でバカなことしてたんでしょ」
「うるせぃやい!彩と比べて、それで・・・自分の小ささに気付いたんだ俺」
「そう、俺達、井の中の蛙だったんだ」
ふたりは何故か、燃え尽きた男みたいな顔をしている。
「なんて、かっこつけて言ってみてもさ、ただ現実見ただけだろ」
するとウガー、と叫びながら二人は机に突っ伏し、机をまたバンバン叩いていた。
「彩君と比べるのがそもそも間違ってるでしょ」
「あれ?岳羽さんも俺のことそんなに評価してくれてんの?」
「評価もなにも、入学してたった2ヶ月でここまで完璧になんでもこなされちゃ、そうなるんじゃない?」
どこでさじ加減をミスったのか。
元々目立つつもりはなかっ
(た、わけねーだろぅ!目立つつもりでしたよ!そりゃもう計画通り!)
内心ガッツポーズをとりながら叫ばずにはいられない。
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