第七十四話 冬化粧その十三
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についての話だった。
「ちょっとね」
「有り得なかったわね」
「だから私ずっとお家にいたわ」
「私もよ」
二人共だった、もっともこれはどの生徒も先生もだが。
「お風呂入ってゲームしてたわ」
「お酒も飲んだでしょ」
「そっちもね」
「私もよ」
「ああ、あんたもなの」
まさに二人共だった、二人でバスのつり革を掴んで立ちながら話をする。
「飲んでたの」
「だって他にすることないでしょ、ゲームしながらね」
「あっ、私そっちは違ったから」
「飲みながらはしなかったの」
「別々だったの」
琴乃はそうして飲んでいたこともクラスメイトに話した。
「そうしてたの」
「ふうん、そうだったの」
「けれどね。それでもね」
「お外には出られなかったでしょ」
「どうしてもね」
このことはだった。
「雪かきには出たけれど」
「琴乃ちゃん雪かきしたの」
「うん、家族皆でね」
「そうだったの、私はね」
クラスメイトはどうだったかというと。
「それはしなかったわ」
「そういえばあんたのお家ってマンションだからね」
「そう、中に雪は入ってこなかったから」
外からマンションの中の部屋を行き来する際の通路にというのだ。
「入って来なかったからね」
「だからなのね」
「そう、ただお風呂入ってお酒飲んでね」
「ゲームしてたのね」
「それだけだったわ」
「そうだったのね」
「うん、かなり退屈だったわ」
昨日は、というのだ。
「いや、一日何も出来ないっていうのもね」
「退屈よね」
「そうよね」
二人でこうした話をしながら登校する、雪は止んだとはいえ何十センチも積もっている。バスはその雪の中をゆっくりと進んでいた。
第七十四話 完
2014・3・25
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