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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
29 二日目(前半の後半)〜Are you a werewolf.
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ある意味驚異だけど、それ以前に占いはその投票の為の判断基準。もし本物の占い師に自分が占われたら最後、人狼は疑われて処刑を免れるのは至難の技。その占い師を襲ったと言うことは…」
「そうか!占い師は人狼にとって驚異。その驚異を殺そうとしたのならワールは本物の占い師であるという証拠他ならない!……凄いぞクレイ!こんな推理が出来るなんて!俺はお前のような息子を持てて誇らしく思う!!」
お父さんは感情的になって僕の頭を乱暴にワシャワシャと撫でた。
「で、でもクレイ。狩人が襲われるかも知れないってどういうこと…?」
お母さんがお父さんと同様に興奮しながらも僕の言ったことが引っ掛かったようで狩人の弱点について訪ねてきた。
「それは狩人が自分自身を守れないかもしれないからなんだ」
「……え?」
「狩人ってどうやって人狼を追い払ってっいると思う?」
「それは……どうやって?」
「……ええっと人狼が護衛対象を襲うスキに銃で撃つからだよ。この銃は一発づつしか弾を込められない。きっと狙いに狙って撃つんだろうね。夜の人狼は銃じゃ殺せないけど退けさせることは出来る。でも人狼が狩人自身を襲いにきたら?きっと狙う暇なんかないし恐怖で狙いが外れるかもしれないんだ」
他人を守れて自分を守れないなんて可笑しな話だけど、それが一見、無敵のように見える狩人の弱点だと僕は思う。
狩人はきっと隠れて他の人を襲うのに夢中な人狼を狙い、人狼への恐怖に怯えながらも狙われているのは自分じゃないという微かな確証を心の支えにして、たった一発の弾を当てるために全集中力を使って引き金を引くことはちょっと考えれば想像がつく。
でも、狙われているのは狩人自身で、襲われている最中、誰かを守っている時みたいに集中して狙えるはずがない。それに狙われているのは自分じゃないという心の支えが無い中、恐怖心で一杯な狩人に一発の弾を人狼に当てるのは酷というものだ。
「俺もそう思う。狩人は狩人自身は守れない」
明希さんも同じことを思ったようで僕の考えを肯定してくれた。
「…そうなの」
お母さんはまるで生気が抜けたような声で返事をした。
その声を聞いて明希さんはチッと舌打ちをした。だけど、何故かその顔には怒りは無かった。
「……でも母さんってなんで父さんより…」
明希さんは何かブツブツ呟いた。…?よくわからないけど何かを恐れているようだった。それになんだか最初の舌打ちとその後の呟きは別のことのようにも思える。
「「「……………………」」」
静寂。一旦、推理が終わって訪れた静寂は、何時もより何倍も頭を使って喋った僕達にとって必然なものだった。
明希さんはおもむろにポケットから銀の懐中時計を取り出して時間を確認した。
「そろそ
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