心を開いて、妹さん その二
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鈴の話が終わると攻撃体勢に入ったとハイパーセンサーが教えてくれた。
俺はすぐに身構える。
丸みを帯びた肩の装甲を持つ鈴のIS『甲龍』。
その両肩の装甲が上下に割れ、そこに装備された砲身も砲弾も見えないという武器、衝撃砲が俺を狙っている。
鈴とやり合うのは初めてだし、何より、見えないものをかわすという特技を俺は持っていない。
今回は逃げの一手だ。
俺が動き出した瞬間に何かが右頬の近くをかすめる。
「お、おい。顔を狙いやがって、俺を殺す気か?」
「だから、そう言ってるじゃない。今からアンタをあの世へと送って上げるから、そこで動かないでじっとしてなさい」
鈴はそう言うと衝撃砲を乱射してくる。
俺は殺されてはたまらんと、的を絞らせないように速度に緩急をつけ、大きく円運動をして攻撃をかわす――というか、逃げていると言ったほうがいいかもしれない。
そんな俺の行く手に一筋の光がやってくる。
今の光は……スターライトマークVのビームか。
次に俺の前に立ちはだかるのはセシリアのようだ。
なぜだかは知らんが、セシリアが偏光制御射撃をしているように俺には見えたんだが。
もしかして、俺への怒りによって今この瞬間に覚醒を果たしたのか? お前はどこぞのサイヤ人かよ。
俺も覚醒できないものか。
覚醒をするには死に対する恐怖が必要だという説があるらしいが、今がかなりそれに近い状況だと俺は思う。
見えない敵が見えるようになるとか、植物の種が割れるイメージが見えると急激に戦闘力が跳ね上がるとかさ。
まあ、そんな都合よくはいかないか。
『アーサーさん。わたくし、セシリア・オルコットが奏でるレクイエムであの世へと送って差し上げますわ。そして、わたくしを一夏さんのペアに推薦しなかったことを後悔なさい。あの世へ行ってからゆっくりと。ふふ、ふふふふ』
不気味な笑いをしつつそんなことを言っている。
『死ぬ前からレクイエムなんか奏でるなよ』
『その減らず口を二度と聞けないと思うと少し寂しい気持ちもありますけど、わたくしとアーサーはもともとこうなる運命だったのでしょうね。安心してくださいまし、同じイギリス出身の誼で苦しまぬよう優しく殺して差し上げますから』
俺はそんな運命も誼もいらねえよと俺は叫んでいた。
セシリアのISのビット兵器の四機が切り離される。
その意思のないはずのビット兵器すべてから俺に対しての敵意をひしひしと感じる。
これはもしかして……原作にあった全武装による一斉射撃か?
「ええい、やっかいな」
と俺は吐き捨てるに言うと、自分のISを加速させる。
俺とセシリアの距離は五十メートルほど。
そ
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