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インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
心を開いて、妹さん その二
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に来たのは俺がいるからだから、俺が所属でよかったなんて言っていた女子もいたな。
簪さんはというと、俺の土下座攻勢に心を動かされたのかどうかはわからないが、嫌悪していたはずの一夏と仲良くなるのにそう時間はかからなかったな。
多少予定は狂ったが、概ね作戦成功と言ってもいいだろう。
立っている簪さんの前で土下座していた俺が頭を上げようとしたとき、簪さんは頭を上げないでと言っていた。
最初は俺に対して怒り心頭なのかと思っていたら、どうやら俺があのまま頭を上げていたらスカートの中が……ということらしい。
短いスカートをはいた女子の前で土下座はしないほうがいいと簪さんに注意を受けてしまった。
次回、土下座するときは相手の装い見て――というか、土下座をするような事態に陥らないようにしないとな。

俺は人生初の土下座を簪さんに行ってから三日が過ぎた。
とある人物たちからの呼び出しをことごとく無視し続けていた俺なのだが、とうとう捕獲された。
今は何をしているのかというと、第三アリーナの上空二百メートルにいる。
俺を捕獲したとある人物たちによる、名目上は模擬戦だが、実際は俺の死刑執行が待っていた。
こうなるだろうという予感めいたものはあったが、現実には起こって欲しくなかったよ。
一夏さあ、もう少し彼女たちにうまく説明できなかったのか? と俺は思う。
一夏がどんなふうに彼女たちに言ったのか俺は想像してみる。
顔に笑顔を浮かべた一夏は、

「いやぁ、皆悪い。アーサーに頼まれて、四組の簪さんと組むことになっちゃたよ。ははは」

とか言ったんだろうな。

俺を囲むように菷、鈴、セシリア、ラウラ、シャルロットがいる。
まず口火を切ったのは箒だった。

『どういうことだ、アーサー。なぜ、あの女が一夏とペアを組むことになっている』

そう言った箒は装備した刀を振り上げ、俺から見て左斜め上から袈裟斬りをしてくる。
どうやら箒は俺の言いわけなど端から聞く気などなく、今すぐ俺をこの世から消滅するのが目的らしい。
俺は機体を左へと振り、軸をずらす。
攻撃をかわされた箒は、踏み込むように間合いを詰め、振り下ろした刀でそのまま切り上げてくる。
俺はその刀の切っ先を大きく後退することでかわし、ついでに距離をとる。

『へえ、箒の攻撃をかわすなんて、なかなかやるじゃない。少しは見直したわ。次はわたしの番ね。言っておくけど、わたしは箒みたいにアンタに理由なんてきかないわよ。一夏のペアにわたしを推薦しなかったことを今すぐに後悔させてあげるわ』

そんなにやる気を出すなよ、鈴。
そのやる気を一夏に好きだと告白するまで大事に仕舞っておけばいいだろ。

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