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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第363話】
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ばされ、地面にバウンドする様に転げ落ちた。

 その様子に、罪悪感が心を支配し、躊躇して追撃が出来ずにいると――。


「ヒルトッ! 躊躇するな!! 躊躇すればお前がヤられるのだぞ!!」


 そんなラウラの言葉に、ハッと目を見開き、追撃をしようと動くも既に立ち上がり、射撃体勢を整えていたラウラの大型レールカノンの砲口が火を噴いた。

 一瞬の判断が命取りになる――盾での防御が遅れ、レールカノンの直撃を浴びた俺はその衝撃に頭から地面へと落下、絶対防御で保護されたとはいえ危ない落ち方をしたのと同時に今の絶対防御発動でエネルギーが枯渇、模擬戦終了のブザーが鳴り響いた。


「ヒルト、立てるか?」


 慌てて駆け寄ってきたラウラは、心配そうな表情で前屈みになり、俺に手を差し伸べた。


「……あぁ、大丈夫だ。 ……まだまだ甘いよな、俺。 お前が吹き飛ばされた姿を見て躊躇するなんてさ」


 差し伸べた手を取り、勢いそのまま立ち上がるとラウラは――。


「戦士としては半人前だな。 あの場面で追撃が出来ないと重要な場面で大切な人を失う結果になりかねない」

「ぅ……ごもっともです」

「――だが」

「?」


 少し言いにくそうにするラウラ――徐々に頬が赤く染まっていき、軽く咳払いすると。


「お、お前の優しさは正直……う、嬉しいぞ? そ、そんな所も、私は好きだからな」


 言ってから抱き付くラウラ――ISスーツだからか、直接肌の温もりを感じた。


「そ、そっか……。 ありがとうな、ラウラ?」


 髪を優しく撫でると、ニコッと笑顔を見せるラウラは――。


「……さて、さっきの模擬戦での反省点を洗い流すぞ。 私も一緒にな」

「了解。 遠慮なく言ってくれ、ラウラ」

「うむ。 先ずは――」


 模擬戦を終え、ラウラが気付いた俺の反省点を言い始めるとそれをメモに取り始める俺。

 最近は専用機持ちの皆に、こうやって何か気付いた点等の指摘もしてもらっている。

 自分では気付かない点も、人から見たら気付くところもあるからこういった指摘は非常に有り難い。

 ラウラの指摘を聞き逃さず、メモにとっていくと秋風がアリーナを駆け抜けていく。

 真夏の日差しはそこには無く、心地好い秋風にもう完全に秋だなと思いつつ、目の前のラウラ教官の俺が直す点や課題を書いていった。
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