第三十話 駐車場探し
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だった。日本車であれば基本的に左側が助手席なので左側を開けたのだが、この車はイタリア車なので左側が運転席になるのだ。
「ふむ、運転したいのなら、運転してみるかい?」
「え……マジで?」
ただの俺の勘違いをどうもおかしな方向に受け取ったようで、木山先生から運転をすすめられたわけだが、余りにも現実味のない提案に一瞬呆けてしまった。
「いや、ダメでしょっ!!」
一瞬の間をおいて御坂さんからツッコミが入る。多分、御坂さんも言語解釈処理中に一瞬フリーズしていたのだろう。
「9000まで回しても良い? って聞きたいところだけど、運転できる技術持ってても免許持ってないんでやめときます」
木山先生に尋ねようとしたらその瞬間御坂さんから睨まれたので、俺は運転を辞退してから運転席のドアを開けたままで助手席側に周り込んだ。助手席のドアも開けるが、まだ乗り込まない。
「ただの冗談だよ。だが、技術があるというなら運転したことがあるのかい?」
「どこで運転したのよ?」
「私有地であれば道路交通法は適用されません。と言っておきましょう」
車内から出てくるモワッとした空気を避けながら、本当に冗談だったのかどうかが怪しい木山先生と、呆れた視線を向けてくる御坂さんに答える。流石に元の世界や前の世界でちゃんと免許を取った上で運転してましたとは言えない。
「あ、御坂さん。白井さんに電話しといたほうがいいと思うよ、なんか大変なことになってたっぽいから」
「黒子が? 確かに黒子と電話した後ケータイの電源は切ったけど、別に大丈夫でしょ。帰ってから説明するわよ」
一応、白井さんの状況を伝えてみるが御坂さんは特に気に留めていないようである。このままだと、多分寮に戻ってから御坂さんは大変な目に合う事になると思うのだが、まぁそれは俺が気にすることでもないか。
「それじゃー、また」
「気をつけるのよ」
御坂さんに片手を上げて挨拶すると俺は車に乗り込む。
「すまなかったね、助かったよ」
「いえいえ。あー、お気をつけてー」
車に乗り込んでから礼を言う木山先生に対して、御坂さんはなぜか微妙な返事を返していた。
「それで、君はどこのスーパーに向かっていたのかな?」
車を走らせながら木山先生が尋ねてくる。俺はスーパーの名前を答えると、スーパーに到着するまでの間、木山先生と脳科学関係の話をした。インデックスを救う為の情報はなるべく沢山あったほうが良いのである。時間にして高々数分といったところだとは思うが、それでも恐らく神裂さんやステイルを説得するための材料として、使えそうなものがいくつかあったのでかなり有意義な時間だった。
なお、スーパーでしばらく上条さんの姿を探してみた
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