SAO
プロローグ
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「っ………」
鈍色に光る剣尖が、俺の肩スレスレに振り下ろされる。
冷や汗をかきながら、敵の剣が再度攻撃モーションに入るよりも早く、俺はバックダッシュしつつ、武器を展開する。展開した武器は、弓だ。事実、この世界に存在しないはずの武器である。
「ハァッ!!」
紅い光を帯びて弓から放たれたその矢は拡散し、リザードマンロードに突き刺さっていく。
「しつ、こい………っ」
再度弓に矢をつがえようとすると、
「ぐるあっ!!」
凄まじいほうこうと共に、リザードマンロードが地を蹴る。遠間から、シミターが鋭い円弧を描いて俺の懐に飛び込んでくる。空中に鮮やかなオレンジ色の軌跡が眩く輝く。曲刀カテゴリに属する上位ソードスキル、<<フェル・クレセント>>。
「だから、しつこい」
そう呟き、背から銃を取り出す。
こちらもこの世界に存在しないはずの武器、ライトボウガン。
既に弾を装填してあるらしく、トリガーを引くと、弾が発射され、拡散しリザードマンロードに放たれる。
リザードマンロードは、悲鳴をあげつつ吹き飛び、地面に叩き付けられる。が、すぐに起き上がり、俺にソードスキルを放とうとする。先程と同じ、<フェル・クレセント>で。
「ウグルルアッ!!」
「全く……」
俺は呆れて、背にあるもう一つの武器に手をかける。
シミターでもなく、刀でもないその武器は、刀身が長く形状は刀に近かった。
「俺に挑むなら、100は最低レベルだ。出直せ、トカゲ」
モーションを取り、刀身が黄色く染まると、右払い、左払い、左右に一回ずつとリザードマンを切り裂き、そしてーーーーー
「気刃大回転斬りッ!!」
一回転しつつ切り込み、納刀する。同時に、リザードマンのHPバーも消え去った。
長い断末魔を振り撒きながら、ガラス塊を割り砕く様な大音響と共に、微細なポリゴンの欠片となって爆散した。
これがこの世界における<<死>>。瞬時にして簡潔。一切の痕跡を残さない完璧かつ完全なる消滅。
視界中央に紫色のフォントで浮き上がる加算経験値とドロップアイテムリストを一瞥し、弓、ライトボウガン、そして背にある武器をストレージに戻し、ダガーを取り出す。それを軽く振り、腰のホルダーに入れる。
現在時刻は、既に午後三時。そろそろ迷宮から出ないと夜飯を食いぱぐれる。
「キリトの奴はどうしてるかなぁ………」
相方である片手剣使いの少年の事を心配しつつ、迷宮の入り口まで戻る。
しかしーーーーー
「ーーーーー集団でおでましとはな。いい身分だ、ドスジャギィ」
俺の前に、ジャギィ、ジャギィノスの群れが現れ、それらよりでかいドスジャギィが姿を現す。
「………来い、雑魚共」
ダガーを手に持ち、俺は奴等に攻撃を仕掛けていった。
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