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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
心を開いて、妹さん その一
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っそく接触を試みた。
俺の一年四組での席は、窓際後方一番目。
そして問題の更識簪はというと、俺の前の席になる。

「更識さん」

と声をかけてみたが、俺のほうを見ることなく空中投影モニタを凝視し、ただひたすらキーボードを叩いている。
許可をとらずにモニタを覗き込むのはどうかと思ったが、たまたま見えてしまったのなら仕方がないだろうと俺は頭をずらしてみる。
するとモニタにはISらしきものが映っていた。
あれが更識簪の専用機の『打鉄弐式』か?
更識簪は俺のほうに身体の正面を向けることなく答える。

「なに? ベインズくん」

よかった。
名前は知ってくれているみたいだな。
自己紹介から始めなくて良さそうだ。
この更識簪の反応を見ると、原作の一夏が声をかけたときほどの拒否反応はないな。
俺がこのクラスに来て日が浅いとはいえ、一応クラスメイトだしな。
だからかもしれない。
ただやはり、更識さんとは呼ばれたくないみたいで速攻で呼び方を改めさせられた。
そんなに姉と同じ更識という苗字なのが重荷なのだろうか。
俺にも姉がいるが、まああの人は特殊すぎて比較対象しするには不向きだろう。

「更識さんって日本代表候補生なんだろ? だったら、今度行われるタッグマッチ戦で俺と一緒に出場してくれないか」

と誘ってみた。
簪さんは俺のほうに身体を向けることなくそのままの姿勢で、

「わたしの……専用機は、まだ完成していない。だから、他の人と組めばいい」

と、たどたどしく答えた。

「俺も、その専用機を完成させるのを手伝うからさ」

「一人で、できる」

そう言うだろうと思っていたよ。
しかしここで、生徒会長に頼まれたとは言えないしなあ。
さて、どうしたものか。
原作の一夏はどうしていたっけな。
最終的には簪さんのことを一夏に丸投げすることになるのだとしても、生徒会長に頼まれたのは俺だ。
簪さんが一夏と仲良く話せるようになるくらいにはしないとな。

この日から数日、俺と簪さんの関係に進展は見られない。
タッグマッチでペアを組もうと声をかけるたびに、『イヤ』『ダメ』『もうわたしに声をかけないで!』と取りつく島もない。
簪さんに拒絶され続けた俺のココロは、折れそうになっている。
周りからはどう見えているのだろうな。
どう考えても微笑ましい光景でないのは確かだろう。
ヘタをすればストーカー扱いだな。
俺が簪さんに声をかけまくるもんだから、

「今度のターゲットは簪さんなんだ」

「前々から狙ってたんじゃないかな。簪さんに熱い視線を向けてたみたいだし」


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