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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
心を開いて、妹さん その一
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調整をしないとなあ、と考えているとドアを叩く音が聞こえた。
心の余裕を感じるような、幾分ゆっくりめの音が四回聞こえ、一夏は来るとはいってなかったし……誰だろうなと思いなからドアを開けた。
ドアの向こうにいた人物。
それは、俺が作った俺の部屋を訪れることはないだろう女子リストの中の一人で、生徒会長だった。

面倒ごとを持ち込まれるのはごめんだったが、取りあえず用事は何かと聞いてみた。
すると生徒会長は、俺の胸に両手を当てたかと思うと、俺を部屋の奥へと押しやり、何をするのかと思っていたらこんなことを言い出した。

「妹をお願いします」

生徒会長は両目を閉じると、両手を合わせ俺を拝むようか格好をしている。
えっとですね、俺は神でも、仏でも、一夏でもないですよ。
思わず、拝む相手をお間違えではありませんか? と言いそうになるが、何とかその言葉を飲み込んだ。
そして俺は、はぁという気のない返事を返す。
何でこうなった? わけがわからん。
原作では妹のことは一夏に頼んでいたろうに。
なぜ生徒会長はそうしないんだと疑問を感じつつ話始める。

「妹とは、もしかして……うちのクラスの更識簪さんですか?」

「そうそう」

笑顔の生徒会長は首を縦に振る。

「俺に何を頼むつもりか知りませんが、そういうのは一夏に頼みましょうよ。あいつのほうが上手くやると思いますよ」

俺はさらりと、さりげなく、こともなげに一夏を推薦してみるが、生徒会長の表情から察するに、ダメかもしれないと感じた。

「このIS学園に一夏くんしか男子がいなかったらそうしたかもしれないけど、キミがいるじゃない。しかも、うまい具合に簪ちゃんと同じクラスに」

うまい具合にと言うが、生徒会長の伝家の宝刀、生徒会長権限とやらでなにかをしたのではあるまいな。

「それに、簪ちゃんは一夏くんにあまり良いイメージをもっていないみたいなのよ」

一夏の専用機『白式』。
それを作るために日本代表候補生である更識簪の専用機を作ることが遅れている。
そのために更識簪は一夏対して、ケツを蹴り上げ空に浮かぶお月さまに飛ばしてやる! くらいは思っているかもしれない。

「生徒会長の言葉を聞くと、俺が一年四組にいるのは偶然などではなく、生徒会長の差し金のように聞こえますよ」

「あら、よく気がついたわね。キミのクラス替えの話が出たとき、コレ幸いと生徒会長権限で四組へと送りこんだのよ」

やっぱりか。
生徒会長は舌をぺろっと出すと、まるでイタズラがバレた子供のような笑顔を見せる。
俺が原作知識がなかったら、生徒会長が見せる小悪魔的な笑顔にコロッと騙されていたかもしれな
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