九話 年上(2)
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こと。長谷川さんとは話したことなかったし」
「そっか、でも、いいの?」
「何が?」
「私といると、ほら・・・」
長谷川さんは俯き加減で尋ねてくる。
その言葉に、問題ない、と答えようとした時、
「あ、先パ〜イ」
1つか2つかはわからないが、多分先輩であろう女子が声をかけてきた。
かなり皮肉を込めた言い方だった。
先輩といったことから多分今の2年生だろうと推測する。
そして、その先輩という響きに悲しそうな顔をする長谷川さん。
「あ・・・」
俺に聞こえる程度の声を上げる。
「今度はその男ですかー?年下の子もOKて感じ〜?」
「ぁ・・・」
長谷川さんは完全に俯いてしまった。
「フンッ!・・・君も、そんな女やめた方がいいよ。良い男みつけたら、すぐ色目使うし」
女子生徒は、それだけ一方的に言って去って行った。
過去に何かあったのだろうか。
「・・・」
長谷川さんとの間にきまづい沈黙が落ちる。
「気にすることないよ。俺から話しかけたんだし、それに俺と長谷川さんは『友達』じゃん?」
「・・・あ」
俯いていた顔が上がる。
「そうなんだ・・・ありがと」
長谷川さんはそう言って弱弱しく微笑んだ。
「そんな悲しい顔してほしくないな。あんまりこういうの初対面で聞くのもどうかと思うけどさ、なんかあったの?」
初対面でもその人の心に土足で思いっきり踏みあがる。
これぞ、まさに
(勇気だぁぁ!!)
(※ただの無神経です)
「ふふ。なんでもないの。ただ・・・そう、ただ私が馴染めてないだけ」
長谷川さんは俯いてしまった。
「ふ〜ん。でもさ、まだ始まったばっかだよ?」
「そう、なんだけどね」
「?」
「皆、寮住まいの子が多いからかな?寮の先輩から私のこと色々聞いてるみたいで・・・」
どうやら、今のクラスにも全然馴染めてないようだ。
そして今後もその自信がない、と。
「まだ5月だってのに諦めモード入るの早すぎだね。ま、でも、もう問題は解決したね!」
そう言って長谷川さんにサムズアップをする俺。
「え?」
「まずは俺で一人目、でしょ?」
ニヤリと笑いかける。
「・・・そうだね」
俯いてた顔が少し上がる。
ふふ、とまた微笑みながら長谷川さんは言った。
「やっぱり彩君はおもしろい人だね。隣のクラスでもよく噂になってるよ」
そう言ってニコリと微笑む。
「おぉ、それは『友達作り』がしやすくなる展開だ」
ニヤリと笑って返す。
「ふふ。じゃあ、またね」
長谷川さんは、俺と
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