第五幕その十二
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「最初ドロシーさんがお会いした時は凄く塞ぎ込んでおられたんですね」
「森に帰りたいって言っておられたんですよね」
神宝も兎の人達に尋ねます。
「欝っていいますか」
「はい、本当に」
「欝でしたね、あの時の王様は」
「そうなられていました」
兎の人達もそうだとです、神宝にもお話するのでした。
「人は色々な時がありますから」
「そうした時もありますね」
「僕も落ち込むことがありますからね」
ここでこう言った神宝でした。
「何かと」
「そうです、ですから」
「問題は気をどう取り直すかですね」
「そうですよね、そこは」
神宝は兎の人達の言葉に納得している顔で頷きました、そうしてでした。
皆は王宮の前に来ました、そこでなのでした。
ふとです、カルロスがモジャボロとドロシーに尋ねました。
「あの、さっきお話に出ていた白いものですけれど」
「あれだね」
「あのよくわからないものね」
「はい、あれは出るでしょうか」
「ひょっとしたらね」
出るかも知れないとです、ドロシーがカルロスに答えました。
「最近兎の人達よくあれ食べてるから」
「そうですか」
「そうよ、だからひょっとしたらね」
「出たらですね」
「そう、誰かがそれを知っていたら嬉しいわ」
「ええと、ひょっとして」
ここで、です。カルロスはこのお料理を出しました。
「クスクスですか?」
「あのカレーみたいなのね」
「はい、あれですか?」
「クスクスなら私達も知っているわ」
こう答えたドロシーでした。
「あれはね」
「そうですか。じゃあ」
「クスクスではないわね」
はっきりとです、ドロシーは言いました。
「あれはね」
「クスクスではないですね」
「そうなの。けれどクスクスも知ってるのね」
ドロシーは五人にこのことも言いました。
「あのお料理も」
「大学の方の食堂にあるんです」
カルロスがドロシーに答えました。
「実は」
「あっ、そうなの」
「はい、そうなんです」
だからだというのです。
「僕達も食べています」
「そうなのね。だからなのね」
「あれ結構美味しいわよね」
「オズの国には最近入ってきたのよ」
「アメリカでも食べられる様になったからですね」
「ええ、そうよ」
クスクスもアメリカの料理事情が反映されてオズの国に出て来たというのです。やっぱりアメリカやそちらのせかいの国々とオズの国は何処かつながっています。
「だから私達も知ってるの」
「けれどなんですね」
「その白い粉のものが何か」
それはといいますと。
「わからないの」
「とりあえず見てみるしかないですね」
恵梨香がこう言いました。
「とりあえずは」
「そうね、それじゃあね」
「今から行こうね」
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