第二章 終わらせし者と月の女神
第七話
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じる。既に何回も転生したけれど、自分のスペックさえ良ければすべてがうまく通るなんてことはほぼなかった。如何にして、世を渡っていくのかやはり欠かせないのはお金に間違いはない。しかも、他人からのお金ではなく、自分で考えて自分で行動して得た自分のためだけのお金。しかも莫大なというのも付け加えておこう。
お金さえあればある程度人間は雇うことができる。でもどの人生でもそのお金を得るということは簡単ではなく地道に働いても目標の金額に達成するのに相当の期間を費やした。そこで近年俺がよく使っていたのは賭博の元請けというなんともおいしい所だった。元手となる資金を集めるのは苦労するがそれさえ終わればあとは、きちんとした計画を立て実行。それだけで莫大なお金が動き、元請けの俺は儲かるという算段だ。
では、この場において何が最も相応しい賭け事の対象なのかそれは闘技場に他ならなかった。仕組みは簡単、戦わせて勝ったほうにかけていた者が儲かり、負けた方にかけていた者がお金を奪われる。ただそれだけのことだ。
しかし、これを行うのは少し様子を見ることも必要だし、計画が十二分に用意出来ていない。これは、帰ってきてからの課題というわけだ。
ともあれ、お供をどうするかという事については、一つ俺には案があった。先ほどの話題に出ていた闘技場に今から行ってみるつもりだ。なんでも、凄腕の剣士がいるらしい。
「ソール、どうもお前にお客さんらしいぞ」
「誰だ?」
「なんでも、相当なお偉いさんだってよ」
赤い髪を長く伸ばし、長い片刃の剣を肩から背負いどこか憂いた表情を持つ青年。どこかこの暑くむさ苦しい闘技場とは似つかわしくない者ではあったが、その腕は本物で既にこのノディオン王国の闘技場では敵なし、連勝に次ぐ連勝。そろそろ、拠点を移すかとも考えていた。そんな中での来訪者だった。
「あなたが、ソールさんですか……」
「そういう、お前は子供だな」
どこか不思議な雰囲気を持つ子供だった。心の中で、妙にざわつく気配を感じた。
「単刀直入に言わせてもらいます。ぜひ、僕のお供として旅についてきていただきたい」
「俺に子供のお守をしろと?」
「そうです、僕の旅についてきて欲しい。それには、あなたのような実力者が欲しい」
「いくらか聞きたい」
対する子供も、顔をにこやかにしどうぞと答えた
「まず、目的地は?」
「ブラギの塔です。ここからだと、近からずとも遠からずといった所でしょうか」
「いくらだす?」
「うーん。いくらでもと言いたいところですけど、生憎と動かせるお金が大きくないものでできたら10000で手を打って頂きたい。もちろん、旅費等はこちらで出します」
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