暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
少しでも前に進めたら
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
のは明らかだった。

「何で・・・どうしてザイールさん・・・ジュビアの水流激鋸(ウォータージグソー)を・・・避けなかったんですか?」
「お前は本当に問い掛けが多いな」

ジュビアの問いにザイールはクスクスと笑い声を零す。
そして、天井を見上げた。
表情から冷たさは消え、晴れ晴れとした表情になっている。

「・・・何で、と聞かれても解らない。ただ1つ言うなら、滑稽だったからだろう」
「え?」

意味の解らない回答に、ジュビアは聞き返す。
それに対しザイールは、聞き返すのが当然であるかのような表情を浮かべ、目を閉じた。

「解らなくてもいい。知る必要もない。答えなど世に生きる人間の数だけ存在する。その全てを理解しようとしていては、答えを知るだけで生涯を終える事になる」

そう言って、沈黙する。
しばらく静寂が流れた空間。
沈黙を破ったのは、ジュビアの声だった。

「ザイールさん」
「・・・何だ?」

顔だけをジュビアに向ける。
ジュビアは微笑んで、口を開いた。

「・・・罪を償ったら、シュランちゃんに会いに来てくださいね」

シュランちゃんと一緒に、ジュビアも待ってますから。
そう言って、ジュビアは気を失った。
無理矢理起き上がったザイールは気を失うジュビアを見て、溜息をつく。

「ティア嬢を助けに来たんじゃなかったのか・・・?こんな所で気を失ってる場合じゃないだろ」

呆れたように言うが、返事はない。
こちらも力尽きたザイールは、目を閉じて意識を遠くへ飛ばした。
―――――気を失う前に、口元に弧を描く。

「ああ・・・必ず、会いに行くよ」












「生憎だが、私は消える訳にはいかない・・・そう言いましたよね?あなたは、デス」

どんな会話であれ語尾にデスを付けるのは、災厄の道化(ミスフォーチュンクラウン)のセス・ハーティス。
ブロンドのカーリーヘアに肉感的な肢体、とびっきりの美人顔の女魔導士だ。

「がっかりデス・・・言うほど手強くなかったデス」

はぁ、と溜息をつくセス。
そして、目線を少し上げた。
その目線の先には――――――







「ヴィーテルシアさん・・・デス」








傷だらけで倒れる、金髪を三つ編みに結えた少女に変身した、ヴィーテルシアだった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ