暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交信
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タキシードに身を包んだ一人の神の事を、彼女は露ほども知らない。知るはずもない。

だがしかし、まだ道はある。

世界なんてバカでかいものと相対するよりも、ずっと身近で、ずっと手が届きそうな距離にあるものが。

「……………そいつよ」

そう、そうだ。

道は示されていたじゃないか。

示されて、記されて。

「今の世界は、壊れたブラウン管テレビみたいなもの!それを直すには――――」

結論は一つ。

単純にして明快。

「ブッ叩く!!!」

ドゥ!と腹に響くような音が破裂する。

紅の弾丸のように、破壊された壁から外に少年が飛び出していったと脳が理解するのに、数秒の時間がかかった。

宙空を疾走するレンが、何かを引っこ抜くような動作をする。その両手の間から、何かが生まれ出る。

それは、理解の範疇を超えたナニカ。

黒い槍。

穿孔(グングニル)

まるで、彼自身が一本の槍となったかのように、少年は人外の怪物と激突する。

小手先の技術も上。

持っている力の総量も上。

それでも、少年はソレに立ち向かう。

無茶かもしれない。

無理かもしれない。

無謀かもしれない。

人はそれを蛮勇と呼び、心底から蔑むかもしれない。

それでも、少年は立ち向かう。

たとえ血反吐を吐いて、地面に這い蹲る事になろうとも。

守る者が、逢いたい者が、笑い合いたい者がいるから。

技術?

力量?

そんなものは知らない。知りたくもない。

「おおぉああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

全身に、得体の知れないダメージが浸透する。

それは、一箇所を作用点として全体にダメージが通るというものではない。乾いた布に水を浸すように、全部の細胞に均等にダメージが行き渡っている。

具体的に何をされたのかすら、全く分からなかった。したがって、どう対処すればいいかも分からない。

突撃に費やした運動エネルギーの全てが一瞬にしてかき消され、本当に一瞬だけ無重力状態を体験する。

その一瞬すら、世界というとんでもないものが生み出した怪物は見逃さない。ギョロリ、と感情のない眼を魚眼レンズのように動かし、両腕を複雑な軌道を描いて振るう。

上下左右、という言葉でも、四方八方でもまだ足りない、真にあらゆる方向から莫大な圧力が発生し、少年の細っこい身体を万力のように締め付ける。

アレは言っていた。

人外の言葉で。

指針は『圧殺』だと。

「………ナメ……るなよ……………」

ズグン、ズグン、と。

不可思議な脈動を頭の裏側ら辺で聞きながら、紅衣の猫妖精(ケットシー)は槍を勢
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