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覇王と修羅王
合宿編
十八話
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上がる。ティアナが着弾する前に、コロナへ向け徹甲狙撃弾を放っていたのだ。
 意地のような一撃だったがコロナのLIFEを確り削り、ティアナ共々0に成った。

「ティアナさん……」
「アインハルト、後は任せたわよ」
「――――はい」

 心配するくらいなら勝ってみせろ。そう言うティアナの目に、アインハルトは強く頷いた。
 他は皆、撃墜か行動不可で残った者はアインハルトとヴィヴィオのみ。一人行方不明が居るが、姿が見えなければ撃墜と変わりない。

「……お待たせしました、ヴィヴィオさん」
「いいえ……!」

 静かに構えを取るアインハルトに、ヴィヴィオは震えた。
 何度か対峙したが、今のアインハルトはそのどれとも違く感じる。勝とうとする意志が、強く伝わってくる。
 アインハルトが全力で来るのだ。嬉しくて震えてくる。

「アインハルトさん、行きますっ!!」

 宣言と同時にヴィヴィオは飛び出すと、すぐにアインハルトの拳が迫ってきた。
 だが何度か身体で受け、モニタでも見た拳だ。避けられない訳じゃない。横に避け、ボディを狙い撃つ。
 返す拳で下顎を狙い――――咄嗟に防御へ変えた。
 顔を狙うアインハルトの強打。倒そうとする意志に満ち溢れ、真面に受けたら撃ち飛ばされてしまいそうだ。
 だが、引きはしない。ヴィヴィオのスタイルはカウンターヒッター、迫る相手に進み出てこそ成り立つ。
 再び迫るアインハルトの拳に合わせ、ヴィヴィオも自身の拳を振るう!

「――――っ!」

 頬に受けた衝撃にアインハルトは顔を歪めた。的確なカウンターで意識を持って行かれそうになる。
 だが、確りと噛み締めて耐え、進む。進んで打つスタイルが覇王流。止まりはしないし、止まらせない。
 アインハルトは貫く意思を込めた拳を振るう!

「っ――――!」

 防御の上からでも通る衝撃にヴィヴィオは顔を歪め、そして破顔した。
 どれもこれも本気の一撃だ、それも遠慮無しの。もう分りきった事だが、一々再確認してしまう。それ程に楽しい、本気で向き合ってくれる事が嬉しい。だから精一杯応じ、全力で拳を繰り出す。
 対しアインハルトは少し顔を顰め、拳がブレた。それに意識が少し他所へ行ったような感じだ。
 理由は分からないが、今は試合中でチャンスに違いない。甘い拳を躱し、カウンターを叩き込む。
 仰け反るアインハルトのLIFEは残り750、一閃必中の拳で決める!

 アクセルスマッシュ!!

 高速の昇打がアインハルトの顎を下から捉える。

「――――っ!?」

 拳に伝わる感触が、違った。アインハルトは寸の所で掌を挿ませていた。
 だが、此処まできたら止まれない。此のまま押し通す、と突き上げる拳は際どく外され、ダメージ630と行
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