第四章
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第四章
「それは御了承下さい」
「わかりました。それでは」
「はい」
こうした話の後でそのカリーを食べる。それは羊のカリーで日本のそれとは全く違う味であった。
そのカレーを食べてニューデリーの街を観光して終わった。それが一日目だった。
「次の日はですね」
「はい」
「ガンジス河に行きましょう」
ハルジャはこう提案してきたのだった。
「あそこにです」
「ガンジス河にですか」
「そうです。それではです」
「ガンジス河ですか」
それを聞いてあらためて考える顔になる彼だった。
「何か色々と話を聞きますけれど」
「聖地です」
ハルジャはにこりとした笑みを作ってみせてきた。
「あそこはまさにそれです」
「ヒンズー教の聖なる河でしたね」
「では明日はベナレスへ」
もうハルジャの中では決まっているかの様な今の言葉だった。
「それでいいですね」
「ベナレスのカリーも美味しそうですね」
「はい、美味しいですよ」
それは笑って認める彼だった。
「あそこのカリーも」
「そうですか。やっぱり」
「ただ。寂しくはないですか?」
ハルジャはここでこんなことを言ってきたのだった。
「寂しくは」
「寂しいといいますと」
「お酒がなくてですよ」
今度はにこりとした笑みになっていた。その笑みで言ってきたのだった。
「それで寂しくはないですか?」
「まあそれは」
「カリーはお酒には合わないですからね」
これはインド人である彼もわかっていることだった。むしろインド人だからこそこのことが余計にわかっているとも言えることだった。
「ですから」
「まあそれは我慢するつもりですけれど」
「いえいえ、我慢される必要はありません」
だがハルジャは笑って言ってきたのだった。
「その必要はありません」
「といいますと」
「あるんですよ、これが」
笑顔と共の言葉だった。
「ちゃんと」
「といいますと!?」
「あのですね。ビールがあります」
それだというのである。
「ビールが」
「そうですか。ビールですか」
「はい、インドのビールがです」
「じゃあそれを御願いできますか?」
「はい、それでですね」
ビールの話を出してきてからさらにであった。彼はそのことをさらに話してきた。
「おつまみはですね」
「それは何がありますか?」
「まあ簡単に豆を焼いたものとか鶏肉とかが」
「タンドリーチキンみたいなものですか」
「そうですか。それですか」
「はい、それです」
今度はそれだった。タンドリーチキンだった。
「まあそういったもので楽しくやりましょう」
「ええ、それじゃあ」
「インドのビールは美味しいですよ」
かなり露骨に自国の酒の宣伝もしてきた。
「それじゃあ明る
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