第二十話 反抗
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爆発音が鳴り響いている。その癖に、里は異様に人がいない。どういう事だ・・・。とりあえず、一番、爆発音が集中している共同墓地に向かう。
「何が、起こってるんだ・・・?」
そう、呟いてしまうほどに異様なのだ。後もう少しで、共同墓地に着くと言う所で、その異様さは飛び抜けて増した。視界が青色に包まれたのだ。咄嗟に目を手で覆い、近くの草むらへと飛び込む。
「・・何だ!?」
光は思いの外、すぐに収まった。草むらからゆっくりと顔を出し、様子を窺う。林を挟んで、すぐそこは共同墓地なのだが、動くに動けない。何故なら、その林の木を超える大きな青白い炎が立ち昇っていたのだ。・・・こんなもの、見た事がない。中忍となって、下忍の頃より多くの任務を熟しているが、青白い炎なんてものは、初めて見た。この大雨に消える気配もなく、むしろ、雨を吸収するかのように炎は大きい。
そんな思いに囚われていたせいか、近づく気配に反応が遅れた。気づいた時には、もう、声を掛けられてた。
「カカシ!?こんな所で、何しているんだい?」
声の方を咄嗟に振り返り、その姿を見て、少しばかり安堵した。
「先生・・。これは、何なんですか?」
全ての疑問を込めて、自分の先輩に問い掛ける。しかし、それに答えたのは、もっと意外な人物だった。
「カカシか・・。あれは、お前も良く知る人物じゃよ。」
「ほ、火影様!?」
いつもの火影が身に纏う白い服ではなく、鎧を着て、完全に武装する火影が居た。・・・そのような事態、と言う事なのか。それよりも、気になる事を言っていた。・・俺の良く知る人物・・?
「火影様!?ミナトさん?!」
と、もう一人の人物が瞬身の術で現れた。この人は、一度見かけた事がある。
「トバリか・・・。やはり、気づいたか。」
「当たり前です!これは、“イナリ”ですよね。一体、何が起きているのですか?」
イナリ・・・?ふしみイナリか? あの“お節介野郎”か。任務よりも仲間だとか、甘い事言ってた奴でしょ。そいつが・・・この炎の原因?
「言っても何も進まん。行くぞ!」
火影様は、そう言って走り出した。上忍の二人もそれに続く。仕方なく、俺もそれに続いた。雨に濡れ、草木と地面の濃い匂いを嗅ぎながら、鬱蒼とし、暗闇に包まれる林を駆ける。地面はぬかるみ、足をからめ取るように感じた。まるで、それ以上進ませないとしているかのように。しかし、火影様も、上忍も、俺も、それで止まる者はいない。地面を踏みつけ、暗闇の林を抜け、青白い炎が上がるそこに辿り着いた。初めは、その青い光で視界がはっきりとしないが、次第に慣れ、青白い炎に包まれた共同墓地に広がっていた光景が、目に焼き付いた。
青白い炎に包まれたふしみイナリが、同い年くらいの女の子の胸に、クナイ突き立てていた。二
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