第二十話 反抗
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も身体を立て直して、相手に殴り掛かる。刀の一刃を避けながら、右拳を振り抜き、左に避け、横払いの蹴りを入れる。身体を捻り、空中に躍り出て、踵落としを打ち込む。雨が体を濡らして冷やしても、その緊張感が体を火照らせる。私の瞳は、相手を捉え続け、離さない。
「お前、何者だ・・・?」
相手と、距離を取り一息付いた。そこで、初めて相手に問い掛ける。
「・・・お前には、関係などない。」
その声は、女だ。まだ、若い女性の。
それを皮切りに、再び打ち合う。雨を弾いて、一刃が横薙ぎる。それを屈んで躱し、身体を捻り、両手を地に付け、足を蹴り上げて刀を弾いた。
「―なっ!?」
悲鳴のような高い声をあげて、体勢を崩す。刀を弾いた為に、脇腹を大きく空けている。そこを狙って、術を放つ。腹からチャクラを練り上げ、力を込める。
「火遁 墳塵発破の術!」
口から粉塵を吹き出し、火花が散って、小さな爆発を起こして相手を吹き飛ばす。相手が吹き飛ぶと同時に、自分も身体を翻して飛ぶ。叩き付けられる直前に、相手の首を掴み、抑えつける。
「ぐっ―!?は、離せ!」
「離す訳ないじゃない。さぁ、何が目的なのか聞こうかな?」
クナイを取り出し、相手の首筋に突き付ける。雨はその間も降り頻り、二人を濡らす。垂れ下がる一本の髪から、滴が垂れ落ちる。
「そんな事、話す訳が・・・。」
「・・・では、この雨の中に隠れている“霞っぽい”ものは、君の・・いや、君達の術かな?」
「―っ!?」
押さえ付けていた身体は、緊張で固くなる。
「な、何故・・・分かった?」
「何故って、“状況”を良く見れば、分かると思うけど・・・。異様な静けさ、人の気配が妙に少ない。でも、人々は生きている。何か、幻術系の術が里を包んでるんじゃないかってね。」
私のその言葉に、彼女は、苦虫を潰したような表情を見せる。そして、観念したようにその重い口を開いた。
「・・・ふ、ふしみイナリが、里を裏切った。彼の狙いは、私達“菜野一族”なのよ。」
彼女は、呟くように囁いた。その言葉を理解した時、私は気の抜けたような事しか口に出せなかった。
「―はぁ?」
同時刻
木ノ葉隠れの里 役所
波風ミナト
木ノ葉を包む雨は、一向にやむ気配がない。それと同じように、状況も好転する気配を見せないでいた。それを感じてか、私が居る役所の一室は緊張と殺意に包まれている。
「ふう、何とか、落ち着きましたね。」
私は、この場にいる老練の忍である2人に声を掛けた。
「・・・ヒルゼン、もはや猶予はないぞ。火影に直接、暗殺を試みるなど、“クーデター”のなにものでもないぞ。」
そう話す人・・・志村ダンゾウは、床に赤い池を作る“人であったモノ”を踏みつけた。この部
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