十四章 幕間劇
一真の落し物
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な悪い子だったら嫌われるのではないかと思って。
「ふぅー、やっと久遠の用事が終わったな」
あとは麦穂の用事があるけど、こっちは今日中に終わらせればいいか。そんな事を考えていると、視線を感じたので見た。
「双葉か。どうした?」
「あ、いえ・・・・・。その、私は・・・・」
様子がおかしいな。今日の双葉は。何か言いにくいことでもあるのかな。
「ええっと・・・・ここでお留守番なので、城の中を見て回っていて・・・」
「そうか。それは苦労な事だな」
ふむ。何か隠し事でもあるのかな。だけど、無理に言ったら拒否られるからここは泳がせるか。それにここで留守番なのは知っていた。京は危ないから、ここまでは足利衆が護衛してたけど。この先からは危険なところだ、だから後詰めの兵も信頼できるし。だからこの小谷で、留守番をしてもらうことになったけど。
「双葉とは、この先しばらく会えなくなるな」
「旦那様・・・・」
「小谷の中を見て回っているなら、案内できるか?」
俺も正直この城全部は把握していない。二条館もそうだったけど、マップ完成にはしばらくかかるからな。
「で、ですが、旦那様はお忙しいのでは?」
「今一息ついたところだから大丈夫だ。それに双葉と一緒にいたいけど、ダメか?」
麦穂の用事は今日中に何とかなるし、双葉には無理にお願いする訳にはいかん。双葉の様子を見るに何か言いたそうだけど、勇気が足りないのか。
「おーい、一真様」
そんな微妙な空気を一気に壊したのは、廊下の向こうからやってきた声だった。
「一葉に市もか」
珍しい組み合わせだな。
「やっほー。お兄ちゃん」
「おお、双葉もいたのか。ちょうど良い」
「お姉様・・・・」
「一真様。街に行くぞ。双葉も付いて来い」
ちなみに一葉が俺に様付するのは、俺が神であること。三好との戦の前までは呼び捨てだったけど、三好の戦の後に兵たちも俺の正体を知っているからだ。
「街に行くの?遊びに」
「そうだ。今しかないと思ってな」
やはり、双葉のこともあるからな。今遊んでからにしないと、今度はいつ遊べるか分からないし。
「城から抜け出る段取りは、市が上手く取りはからってくれるそうじゃ」
「まかせて!いつも使ってる抜け道があるから!」
「抜け道知ってるんだろう、眞琴には。正面から出る時もいいが、こういうのは気分で行くか」
「そうだよ、お兄ちゃん」
「久遠の妹は話の分かる良い妹じゃな。双葉も自慢の妹じゃが、久遠ももう少し誇れば良いのにの」
「えへへ・・・」
そういえば市と双葉の年齢ってあまり変わらないような。
「双葉はどうする?みんなで街に行く?」
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