十四章 幕間劇
懺悔室×雫の想い
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ふむ。詩乃と雫はどこに行ったのだろうか。この時間なら部屋にいると思ったのだが。
「ああ、一真様。雫を見ませんでしたか?」
「雫?俺も探してるところだけど、見てない」
「そうですか。・・・・何か御用ですか?」
「ああ。一真隊の荷物について相談があってな」
「荷物・・・・」
「食料と弾薬だけでいいんだが、もう少しだけなんとかならんか?」
「もう少しと言われましても・・・・一真隊の荷駄は、小谷での補充を加えてすでに一杯ですよ?」
「分かっているんだけど、なんというか。神の勘なのか、少し未来予知が働いてな」
まあ、これは俺の勘なんだけどな。するとひよがやってきた。随分と機嫌が良さそうだけど、何かあったのかな。
「何かあったのですか?二人で難しい話をして」
「ちょいと荷物についてだ。食料と弾薬をもう少しだけ何とかならんかという相談をね。何かこの先で必要かもという未来予知が来てな」
「うーん。今日の補充分で、もう一杯まで積んでますけど。一真様の勘はよく当たりますからね、もう一回積み方を見直してみます。金ヶ崎まではそれほどありませんから、そこで使う分くらいは何とか・・・・」
「なら、お願いしようか」
「分かりましたっ!」
「ところで今日は上機嫌ですが、何かあったのですか?」
「えへへ。そう見えますか?」
「まあな」
「実は中庭に、懺悔小屋っていうのが出来ているんですよ」
「懺悔小屋ねぇ」
「はい。天守教の施設らしいんですけど、誰が行ってもいいらしくって」
懺悔小屋ねー。市たちが始めたのか。いや、さっき会ったときはそんなこと言ってなかったし。エーリカは忙しいから、天守教の奴だともしかして梅と雫か。梅は知っていたけど雫は服の装飾に十字架が入ってたな。
「ちょいと様子見てくる」
「分かりました。それでは、私はひよと荷駄隊の様子を見て参ります」
二人と別れて庭に出ると、そこには長い行列ができていた。これが懺悔小屋ねぇ。庭の隅に建てられた小さな小屋があって、そこに一人ずつ入って行ってる。しばらくしてから、裏口からスッキリとした顔で出てきていたけど。俺は神だけど誰がやっているのか知りたいな。
「和奏、ここに並べばいいのか?」
「ああ。一真も懺悔小屋に?」
「なんか面白そうだなって。中では何がやってるの?」
「ボクもよく知らないけど、犬子や雛から聞いた話だと、中で愚痴を聞いてくれるんだってさ」
「愚痴ねぇ」
「兵のみんなも何か言いたい事あるんだろうけど、溜まっているらしいけど」
まあ、上官には逆らえないからな。言いたい事はあるけど、上の発言からは逃げられないっていうし。
俺のところは、そういうのはない
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