十四章 幕間劇
懺悔室×雫の想い
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。それだと雫は俺のところには来なかっただろう」
もっと悪い可能性なら、下手な野心を出した小寺家だったら神の鉄槌を喰らっていたところだ。けれど、小寺家は俺たちと構えることもなく、やる気のない態度ではあったが、俺たちに雫を預けてくれた。
「だから、雫が来てくれたことが嬉しかったな」
「一真様。私が来て嬉しかったのは、鬼と戦う仲間が増えたからですか?」
「いや違う。そういうのもあるが、女性として見てるつもりだ。こんなかわいい子が味方になってくれたのは歓迎するさ」
「でしたら・・・・その・・・・・」
「久遠が言ったあの宣言は、皆が決めることであって俺が決めることではない。まあ増えるのは嬉しいが、こういうのはゆっくり考えて結論を出したほうがいいぞ」
「ふふっ。不思議な方ですね、一真様は。天から降りてきた、神の使い・・・・」
「正確には神そのものだ。創造神であるからな。だから、他の神や人や獣や自然を創ったといわれるとな」
あとは、他の神はなぜか俺に好意を持つ。創ってくれた感謝なのかもしれないが。でも他の神話系も俺が創ったらしいが、俺には記憶はないな。ちなみに日本のだと創造神様だけど、他だとブラフマー様って呼ばれる。
「天守教で神の使いなんて言っていいのか?」
「たぶん大丈夫です。エーリカさんも大丈夫だとおっしゃっていましたし」
まあそりゃそうか。でもアバウトな司祭だな。
「雫。力、貸してくれるよな?」
「・・・・・はい?」
「おそらく今回の戦いは、何が起こるか分からない。この前の二条より厳しい戦いになるだろう」
「食料や弾薬を増やすように仰っていたのも、そのためですか?」
「ん?詩乃から聞いたのか」
「はい。姫路衆の荷駄に少し余裕が出来ましたから、そちらに何とか」
「そうか。ありがとう、雫」
「いえ。ひよさんの荷物の積み方のおかげですから。本当に一真隊に加わってから、勉強になる事ばかりです。ですが、本当にあれほどの物資が必要なのですか?」
「さあな。あれでも足りないかもしれないけど。まあそれ以上になるんだったら、俺の船から調達すればいいことだし。それか創造の力でな。それに軍師も」
「・・・・・・」
「詩乃一人や雫一人でもどうにもならないときは、二人の軍師の協力が必要になるだろう」
「私と・・・・詩乃殿の・・・・」
「だから、頼むよ」
そう呟いた俺の手をそっと握ってくれた雫。その手は小さくてはあるが柔らかなのだった。
「はい。私の力でよければ・・・・これからも、存分にお使い下さい」
両手で押し抱くようにして、雫は、優しく微笑む。その笑顔は、まるで朱里や雛里を思い出すかのような、とても暖かいものだった。
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