十四章 幕間劇
懺悔室×雫の想い
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「あ、すみません。これは内緒でした」
「別にかまわん。雫も懺悔しただろう、なあ、デウスよ」
といって、俺の隣にデウスがいた。雫にも見えるようにしているからな、雫はいきなり現れたデウスを見ていたけど。
「この御方がでうす様?」
「そうだ。俺と同じ男神だからな。あの懺悔室のときだって、ずっと見てたんだぞ」
デウスは頷いてから神界に戻って行ったけどね。長時間の神召喚は、疲れるけどな。
「それに、人を知るのも軍を動かすのに必要なことだ」
「はい。皆さんの本音を聞けたのは、これからの軍を動かす上でも役に立ちますし」
「俺もだけど、詩乃みたいな言い方だよな」
「詩乃殿は・・・・すごいお方ですから。詩乃殿と一緒に一真様のもとで働けるなんて・・・・正直、とても幸せなんです」
そういや雫は詩乃に憧れているんだっけな。この世が安定したら才を試せるところが無くなるとか言ってたな。
「ですが、詩乃殿も凄いですが、一真様も凄いです」
「何がだ?」
「懺悔小屋の中で、色々兵の皆さん悩みも聞きましたが・・・・一真様に対する不満はほとんどありませんでしたから」
「ああ、そういえば」
美人な奥さんがたくさんいて羨ましいとか言ってたが、奥さんじゃなくて恋人な。というのはたまにあったが、俺は懺悔室でたまに喋るときもあったけど。そのときは声を変えていた。でも俺に対する不満はなかったなー。
「ふむ、何でだろうな。そこらへんは自分でも分からん」
「墨俣に一夜にして城を築いたことも、その際に川並衆を引き入れたのも、一真様の手腕だと聞きました」
「あれはひよところがいて、創造の力でしただけだ」
「その後の、詩乃殿を美濃から救い出した件は?」
「あれは、偶然と俺の勘が働いただけだし」
「では、稲葉山城や観音寺城での首級を取った手際は?駿河を落ち延びた鞠様を迎え入れたのは?」
「ずいぶんと詳しいな」
「はい。田楽狭間の一件から、織田家の情報は色々と集めていましたから。その中でもひときわの活躍を見せているのが、一真様でした。田楽狭間からのごく僅かな期間でこれだけの働き。ただの天人にはとても思えません」
「そう言われると照れるな。だが、俺だけではなく俺の部下の活躍もあってのことだ」
「たしか黒鮫隊でしたね。一真様直属の部隊と聞きましたが、それだけは情報に入らなかったです」
「まあな。だが、よくぞそこまで調べたと思うよ。それにな、小寺家に雫みたいな動ける人がいなかったら、ここには雫はいなかったかもよ」
「あ・・・・・」
「俺は小寺家があんな姿勢でよかったと思っているし」
「一真様・・・・」
「一緒に戦ってくれるなら、それも一つの理想だけど
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