十四章 幕間劇
懺悔室×雫の想い
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、一真とやらは神の力など使っていなくとも強いと聞く。それはなぜかと思う?」
「んー。分からねえけど、経験かな」
「経験も豊富だが、一真とやらは何千年生きていると聞く。だから、いつも鍛錬しているからあの強さなのではないかな。お主はまだ十何年しか生きていないからかもしれんが、手っ取り早い方法もあるが、まずは己自身を見直してから毎日の鍛錬を続けることだ。それと一真と言う者にも言って仕合をしてみてはどうかな。そうすれば、己の身体能力が向上すると我は思うがどうだろうか」
と俺はそう言ったら、小夜叉は納得したかのように、礼を言ってから小屋を出た。そして、梅の身体と口封じを解除してから今回の懺悔室は終了し、俺も元の大きさに戻ってから一度別れた。森家のオチはなんとなく分かっていたからな、梅だと逆に怒らせてしまうからな。そして、その日の夜に。
「雫。少しいいか?」
「あ・・・・一真様。どうぞ」
声をかけて入ると、雫は書見台で静かに本を読んでるところだった。
「悪い。お邪魔だったかな」
「いえ、構いません。どうかなさいましたか?」
「ふむ。昼間のあれはとてもよかったなと思ってな」
俺が適切なアドバイスを小夜叉にしたおかげで、梅も小夜叉も暴れずに済んだからな。だから、また明日からも懺悔小屋はやるそうだけど。森家絡みだったら、梅を封じ込めるようにしといたからな。
「ふふっ。それでしたら、一真様も良い判断でした。悩み相談もけっこう慣れているんだなと思いました」
「まあな、これでも黒鮫隊の者の相談をけっこう受けているから。でも男ならどんな相談も構わんけど、女だったら俺でもまずいときがあるから。今日の詩乃みたいに」
結局詩乃のは、分からず仕舞いだけど聞かなくて正解だったのかもしれない。ああいうのは同性同士ならばのだと判断したし。
「しかし、詩乃殿のときもですが、聞かない判断をしたのは正解だと思いました」
「勘が働いただけだよ。それに俺の勘はよく当たるそうだ。それより、雫も大変だったろ。懺悔室をしようという提案は梅だろう?」
「あれは・・・同じ天守教の信徒として、私も早く織田家に馴染めるようにと思いついて下さった事でしたので」
「そういうことか」
「梅さんも、先日の六角攻めでお味方になったのですよね?」
「まあな」
なんか、ずいぶん前からいたような感覚だけどな。
「梅さんも、本当は凄い人見知りだそうで。梅さんがこれだけ早く織田の皆様に溶け込めたのは、ころさんや詩乃殿が心を砕いてくれたおかげだと」
「そっかー」
梅が人見知りなんて初めて知ったんだが、そんな雰囲気はなかったが。それに雫は一真隊じゃ後輩だけど、先輩として同じようにしてあげたかったのか。
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