第二章
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第二章
「そこに行こうかと」
「インドにか」
「ええ。何か凄い場所らしくて」
それ選んだと答えるのだった。
「行って来ます」
「そうか。インドか」
先輩はそれを聞いて考える顔になった。そうしてこんなことを言った。
「カレーか」
「そうですね。カレーですね」
剛も先輩の言葉に応える。それを聞いて考える顔にもなる。
「あとはナンとかですよね」
「それ何だ、ってのはまあ使い古されたネタだけれどな」
「申し訳ないですけれど今のは」
「ああ、自分でもわかってるよ」
苦笑いで剛に返す。彼もわかっているのだ。チューハイを飲みながら応えるのだった。
「それはな」
「そうですか」
「こんな下らない駄洒落は関西だったらあれか」
「時と場合、あと言う人によっては受けますよ」
こう述べる剛だった。
「それこそ巨人阪神とかがタイミングを見て言えば」
「やすきよだと余計にか」
「ちょっとやすきよはよく知らないんですけれどね」
それは年代的にも知らない彼だった。横山やすしも遠い昔の話だ。
「それは」
「ああ、知らないのか」
「先輩もそうなんじゃないですか?」
「子供の頃に少し見たけれどな」
彼にしてもそうなのだった。実際のところは。
「ちょっとだけな」
「ですよね。やっぱり」
「それでインドか」
ここで話が戻った。
「それにしても凄い国に行くな」
「凄いから行ってみようと」
とにかく理由はそれだった。とにかく凄い国だからなのだった。
「どうですかね」
「生きて帰れるのかな」
不意にこんなことを言い出す先輩だった。
「インドだろ?虎やライオンや豹がいるんだろ」
「ああ、そういえばいますね」
野生動物も豊富な国である。亜熱帯が多くそうした動物が多いのである。
「他にはキングコブラも」
「象もいるな。あと牛が普通に街を歩き回っている」
「牛食べたら駄目なんですよね」
今度は牛の話になる。二人はここで自分達の前にある料理を見た。二人共そこに牛タンやモツを置いている。サイコロステーキまである。
「それは絶対ですよね」
「宗教的な戒律でな」
それであった。ヒンズー教である。
「今のうちに食べておけよ」
「はい、じゃあ」
「メインは鶏肉だからな」
「僕鶏も好きですけれどね」
「じゃあそれもいいのか?」
「ええ、別に」
こう答える彼だった。
「鶏も」
「それならそれでいいな」
「はい。まあ牛肉は今のうちに食べておきます」
しかしそれはそれだった。笑顔でそのサイコロステーキを食べていく。
それとビールだった。ビールもごくごくと飲んでいる。
「ビールはありましたっけ」
「あるんじゃないのか?飲むものは紅茶でな」
「インドの紅茶ですか」
「ヨガ
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