十四章 幕間劇
麦穂の気持ち
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分に自信がなかったから、皆を羨ましく感じていたのかも。ですが・・・・こういう言い方も、語弊があるとは思いますが・・・」
「気にせずによい。自分が思ったことを言えばいい」
「はい。私の事で少なからず、一真様はお心を煩わせておいでのようです。ならば、この場で今一度、私の気持ちをはっきりとお伝えしたいと存じます」
麦穂の気持ちを聞くが、声には緊張をしている。壬月も茶化さずに、静かにことの成り行きを見守っているようだ。
「私はその・・・・一真様のようなお方に、初めてお会い致しました。武も知もあり、存在は神なのにいつも謙遜ばかり。頼り甲斐のある御仁かと思えば、童のようなお顔を見せたりと、誠に捉えどころのない不思議なお方だと。そして、私は一真様のことが・・・・」
麦穂は一度そこで区切った。これは告白か。次に続く言葉を待ちながら、俺は待った。
「一真様」
「はい」
「もしも、もしも・・・ご迷惑でなければ・・・わ、私も一真様の恋人の一人に、加えていただけないでしょうか?」
やはりか、何となくだがそう感じたのはそれか。
「いいよ。俺の恋人に加えても」
「よろしいのですか?やはり迷惑では」
「迷惑ではない。むしろ大歓迎だ。俺のことを好意で見てるのは知っていたし、断る理由もない」
と言いながら、俺は麦穂の目の前に座った。
「一真様?」
「麦穂が俺に気持ちを精一杯伝えたんだから俺もな。俺は初めてあったときから、外見も中身も好きではあった。それにこの世界に落ちてきてから、話したり一緒に戦ったりして行くうちに、麦穂の好意のと言う目線があってな。俺が告白したほうがいいのか、分からなかったが」
「ははは。さすが、一真様だ。麦穂のことをそこまで理解しているとはさすがだな。さすが私の恋人になる男だ」
「え?今なんて」
「ふふ・・・・鬼との戦いを決意した力のある者には、皆、その権利があるのだろう?」
「ああ、なるほど。何となく思ったがそういうことね」
「そういうことだ」
麦穂もだけど壬月もか。家老二人を恋人に加えるとは。俺もとんだプレイボーイなのか。
「ふふふ・・・・さあ、まだお食事の最中でしたね。壬月様、早く済ませて戦支度に戻りましょう」
「だな」
理解に苦しむが、二人とも権利はあるしこれはこれでいいのかと思いながら食事に戻った。そのあと、料理を食べ終わったあとに二人は仕事に戻り、俺は使った皿を船の厨房に行って食洗に入れた。船にある俺の部屋で、今のところの恋人リストに新たに麦穂と壬月を入れたのであった。
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